韓国サムスン電子出身の崔元根社長が、2005年に創業した電池部品ベンチャー。売上高は100億円に達する段階だが、急成長を続けており、1000億円規模を目指す。強みは他社を圧倒する生産技術。EV(電気自動車)時代の寵児となるか。 天才か、はたまた詐欺師か ──。 2005年、電池部品メーカーのダブル・スコープを創業したばかりの崔元根(チョイ・ウォンクン)社長と面会した日本のVC(ベンチャーキャピタル)の担当者は、こぞって首をかしげた。「この男、本物か」と。 リチウムイオン電池の性能と安全性のカギを握る「セパレーター」を開発するというが、生産設備を持たず、量産できるかも分からない。あるのは、小さな実証ラインで作った試作品のみ。 「大丈夫かいな」。ガムテープのように巻きつけられた白い試作フィルムを見て、三菱UFJキャピタルの清水孝行執行役員は、当時、率直にこう思った。 それでも「私はこの分野で絶