南鳥島沖の深海に堆積するレアアース(希土類)を豊富に含む大量の泥。東京大学の加藤泰浩教授は企業と協力して実証実験を急いでいる。だが、そのすぐ南側で中国が深海鉱物資源の探査鉱区を獲得していることが判明した。「狙いはレアアース泥」と加藤教授は危機感を募らせる。レアアース価格の下落で、代替生産地の開発は遅れ気味だ。中国依存から脱却するには何が必要なのか。第一人者が語った。 (聞き手は山崎 良兵) 世界貿易機関(WTO)が中国のレアアース(希土類)の輸出規制は不当との判断を下しました。中国は上訴する意向を示していますが、不利な情勢にあります。レアアース価格も2010年に起きた尖閣諸島の問題で高騰した頃と比べて下落しており、危機は去ったと見方も広がっています。 加藤:レアアースの使用量を減らしたり、代替したりする技術は確かに進歩しています。しかしレアアースが不要になることはありません。世界で圧倒的な