米国が再び対テロ戦争に乗り出した。今度の敵はイラクとシリアにまたがる広大な地域を支配下に置き、カリフ制国家の樹立を宣言したイスラム国。イスラム教スンニ派の一過激派集団が巨大な軍団に成長し、中東のど真ん中に国家を樹立したことで、中東の秩序が激しく揺れている。オバマ政権は国際有志連合を率いてイスラム国壊滅のための軍事作戦を開始したが、空爆だけでは大きな効果を挙げることができず、シリア情勢はますます混乱の様相を呈している。イスラム国の出現は、もともと矛盾に満ちた中東秩序を破壊させる起爆力を秘めているのか?米国は再び泥沼の地上戦に引きずり込まれるのか?イスラム国とオバマの新しい戦争の行方を追う。 「イスラム国」に関する話題が連日メディアを賑わせている。「イラクで部族の住民200名以上を殺害」「シーア派教徒600名を惨殺」など、イスラム国の残忍な手口やその攻勢を伝える報道が圧倒的に多い。また世界中の