トヨタ自動車は10日、3年ぶりに新型のレジャー用ボートを発売した。加山雄三さんらスターに憧れた人たちが市場を支えた時代も今や昔。同社の販売隻数がピークの5分の1に落ち込む中、中価格帯の新型投入で、これまで海と縁が薄かった若手富裕層の取り込みをねらう。 新発売した「PONAM(ポーナム)―31」は、全長約10メートルで12人乗り。税込み価格は3207万6千円で、ソファやカウンターもある。販売目標は年15隻。自動車で培った技術を詰め込んだ「トヨタのマリン事業の集大成」(友山茂樹常務役員)という。 スポーツ用多目的車「ランドクルーザープラド」の海外向けディーゼルエンジン(排気量3リットル)を搭載し、このクラスの船では他社製よりスピードを出せるという。デザインは車の担当者が手がけ、外装も車のボディー製造技術を活用した。車の走行位置を把握する技術を応用し、風や潮流を受けても同じ位置を保てる機能もつけ