東証マザーズ上場第1号のニューディール(4740:旧リキッド・オーディオ・ジャパン)が3月28日付でとうとう上場廃止となった。元社長の逮捕、株価1円、膨大な新株発行など新興市場の負の側面を凝縮したような企業だが、上場維持に必要な株式代行事務の手数料を信託銀行に払えず、ようやく退場した。 金融庁や東証は不良企業の強制排除に本腰を入れるとともに、これまでのベンチャー企業市場運営の誤りを認め、マザーズの“安楽死”と新興市場の再編に乗り出そうとしている。 東証マザーズ開設は1999年12月。世界中がITバブルに沸く一方、投資家は鉄鋼や自動車など伝統的な製造業を「オールドエコノミー」として敬遠し、新たな投資先を渇望していた時期だ。東証は将来の株式会社化を見据え、新市場開設を急いでいた。 国内では現在、東証マザーズのほか、ジャスダックと大証ヘラクレス、名証セントレックスなど六つの新興市場が乱