(英エコノミスト誌 2013年12月21・28合併日号) 人々の飲酒量は減っているが、危険な飲酒が増えている。政策立案者はアルコールの値上げを検討しており、業界は頭を悩ましている。 マドリードの中心にあるスペイン広場には昼間、観光客が押し寄せ、「ドン・キホーテ」の作者ミゲル・デ・セルバンテスの像と一緒に写真を撮っている。 ところが夜になると、スペイン文化の新たな側面が顔を出す。若者がたむろし、ウイスキーやウオツカをファンタレモンで割ったものをペットボトルでがぶ飲みしているのだ。 地面には空のボトルが散乱している。近くでは、3人の若い男が道路に吐く友人を介抱していたりする。 かつてこのような酒盛りはスペインでは珍しいことだった。酒は食事の時にしか飲まないという地中海の飲酒文化が浸透していたためだ。それが変わろうとしている。スペインをはじめとする多くの先進国で、飲酒問題が――一部の層で――深刻