デヴィッド・フィンチャー監督の映画『セブン』(95年)は、モーガン・フリーマンのこんなセリフで終わる。これはフィンチャー監督の作品の多くを貫くテーマでもある。 町山智浩 映画評論家・コラムニスト 1962年東京都生まれ。日本の出版社勤務を経て、渡米。現在、カリフォルニア州バークレー在住。映画やアメリカに関する連載を多数もつ人気評論家。著書に、『キャプテン・アメリカはなぜ死んだか』など。 「ヘミングウェイは言った。『この世界は素晴らしい。闘う価値がある』私は同意するよ。後半部分に」 監督デビュー作『エイリアン3』の失敗でハリウッドから干されていたフィンチャーは、『セブン』の成功で見事に復活した。それから彼は『ゲーム』(97年)と『ファイト・クラブ』(99年)で作家性を確立する。この3本には共通するテーマがある。「人はなぜ、生きるのか?」という実存的問いかけだ。 『セブン』で、モーガン・フリー
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