選挙の正統性が保たれないとき,統治の根幹が揺らぎはじめる.選挙制度の欠陥と綻びが露呈する現在の日本.多数決は本当に国民の意思を適切に反映しているのか? 本書では社会的選択理論の視点から,人びとの意思をよりよく集約できる選び方について考える.多数決に代わるルールは,果たしてあるのだろうか. はじめに 第1章 多数決からの脱却 1 多数決を見つめ直す 2 ボルダルール 3 実用例 4 是認投票 第2章 代替案を絞り込む 1 コンドルセの挑戦 2 データの統計的処理 3 さまざまな集約ルール 第3章 正しい判断は可能か 1 真実の判定 2 『社会契約論』における投票 3 代表民主制 第4章 可能性の境界へ 1 中位投票者定理 2 アローの不可能性定理 3 実証政治理論 4 最適な改憲ハードルの計算 第5章 民主的ルートの強化 1 立法と執行、主権者と政府 2 小平市の都道328号線問題 3 公共