机上に並べられたのは、紙芝居や書籍などの資料、合わせて31点。紙はさらさらとした感触で、無臭だ。1年前、浸水被害を受けてどろどろでよれよれだったころの面影はない。 「ここまできれいになるのかと驚いた。他にはない資料を守れたということは大きい」 常総市立図書館(同市水海道天満町)奉仕係の門井中(ひさし)主査兼係長は感嘆の声を上げた。資料は国立国会図書館(東京都千代田区)で修復され、6月、ふるさとに帰ってきた。 市内唯一の図書館である常総市立図書館は、昨年9月の東日本豪雨で床上約30センチまで浸水。書棚の下段にあった本を中心に泥水に漬かり、本やCDなど計約3万点を処分した。貴重な郷土資料なども例外ではなかった。 「ヘドロがこびりついて変色し、紙はそり曲がって波打っていた。カビが生えていたものもあった」と門井さんは振り返る。すぐに151点を国立国会図書館に搬送。しかし修復には膨大な手間がかかるた
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