令和元年東日本台風による川崎市市民ミュージアムの被災と新しい「あり方」の検討 川崎市市民文化局市民文化振興室:白井豊一(しらいとよかず) 1. 川崎市市民ミュージアムについて 川崎市市民ミュージアム(以下「市民ミュージアム」)(1)は、市域の中心に位置する等々力緑地に、博物館と美術館の複合文化施設として1988年11月に開館した。歴史・民俗分野の収蔵資料を常時公開し、川崎の成り立ちと歩みを紹介してきた他、都市文化の形成に大きな役割を果たしてきたポスターなどの複製芸術による美術品を多く収蔵し、公立の博物館・美術館では日本で初めて漫画部門を設置した施設である。2017年度からは指定管理者制度を導入し、民間事業者による管理・運営を行っている。 民俗、歴史、考古、美術文芸、グラフィック、写真、漫画、映画、映像(ビデオ)の作品・資料など約26万点を収蔵する、地下1階地上3階建ての施設である。1階には