*1 *2 ● 1月10日のスポーツ紙朝刊、八代亜紀の訃報が、まるで阪神優勝の勢いで特大の色刷り活字の見出しの乱れ打ちと共に右へならえ、横並びの潔さで躍っていました。 ああ、それほどまでに、本邦スポーツ紙の想定読者層にとっての八代亜紀、いや、より丁寧に言うなら、八代亜紀に代表されるような「うた」の記憶は、いずれ十人十色、それぞれのお好みのままに散りばめられたプロ野球の贔屓球団の優勝沙汰と同等ほどに大事だったということであり、そしてスポーツ紙各社とも、世間一般その他おおぜいの心映えを相手の稼業としての矜持と共に、その手ざわりを輪郭確かに未だくっきりと持っていたということなのでしょう、令和6年、来年は昭和百年を迎えるといういまのこの時期この時代、この情報環境においても、なお。 こういう有名なよく知られた、それも芸能人が亡くなると、メディアの舞台に追悼企画がたくさん出る。テレビはもちろん、新聞や