偽文書・由緒書の世界 山本直孝・時枝 務 編 2013年7月刊 A5判・246頁・上製本・カバー装 ISBN978-4-87294-813-4 C3021 5900円 (税別) 品切れ 「偽文書とは、偽作された贋物の文書である。そのため、記載されている年紀や内容は事実とは受け入れられず、歴史研究の中で取り上げられることは少なかった。しかし、一度作り上げられた偽文書は抵抗無く社会に受け入れられ、偽作された時代にあった機能を果たすようにもなっている。 事実、戦国期~江戸初期は偽文書が最も多く作成され、そのなかでも、各種の手工業者・商人から芸能民までを広く含む「職人」が、生業に関わる特権と職能の由来を正当化するために偽文書を作成し、社会の中で効用を果たしていっている。 網野善彦氏は、このような事態が展開していったことについて、そこには日本の社会・文化の根底に触れる重要な問題が横たわっていると述べ