県立長野図書館(長野市)で30日まで、戦後70年の企画展「発禁 1925―1944 戦時体制下の図書館」が開かれている。同図書館や上伊那図書館に残された、警察からの図書の発行禁止、閲覧禁止の通達の記録など約50点を展示し、「表現の自由」「知る自由」が失われることの意味を問い掛けている。 対象になった図書の目録など資料は手にとって確かめることができ、「伊那毎日新聞」や当時の上諏訪町で発行された「信州文壇」が検閲の対象になった記述もある。 平賀研也館長は「当時の人は日常業務として生真面目に差押え手続きを実行していることが分かる。検閲というととんでもないことと思うが、それが当たり前に感じられていたとしたら恐ろしい」と話し、「検閲と言えば表現者には戦いだが、図書館の利用者にしてみると何が隠されたのかを知ることもできず、戦いようもない」と現代に通じる問題が読み取れることを指摘している。 天皇機