コロナ禍で浮き彫りになったのが、SNSの持つ負の側面だ。トイレットペーパーの買い占めやワクチンに関する不正確な情報など、コロナ関連のデマは枚挙にいとまがなく、社会に混乱や分断を生み出し続けている。 こうした現象を計算機科学の手法で分析するスペシャリストに、今後も向き合うことになるであろうSNS上のデマ、そして炎上の構造について聞いた! * * * ■デマの起点はごく少数の人 「コロナのワクチンで不妊になる」 「ワクチンにはマイクロチップが仕込まれている」 SNS上では新型コロナウイルスのワクチンに関する不確かな情報が今日も拡散され続けている。 では、デマはどのように拡散するのか? 計算社会科学の手法でSNSを分析する、東京大学大学院工学系研究科の鳥海不二夫(とりうみ・ふじお)教授に聞いた。 ――SNSを見ていると、いわゆるワクチンデマをしばしば見かけます。 鳥海 大きな社会問題ですよね。た