厚生労働省によると、昨年の離婚件数は25万3353組で、2分4秒に1組が別れている計算だ。 東京では昨今、「離婚式」が人気を集めているという。離婚式を再出発のための区切りにしたいということらしい。 8月下旬、東京・浅草。2台の人力車に別々に揺られた男女が到着したのは「離婚屋敷」だった。参列者は20〜30代ぐらいの15人。正装の人や「御終儀」と大書された祝儀袋を持つ人も。ここで離婚式が始まるのだ。 会場は古い民家のガレージを転用した。冒頭、友人代表の女性(28)が「正直どう言っていいか悩みましたが、離婚しても友達でいてください」とあいさつ。しんみりムードが漂う中、夫婦は目の前に置かれた結婚指輪を見つめ、一緒にハンマーを握った。式を主催する千葉県浦安市の寺井広樹さん(30)が厳かに言う。 「二人で行う最後の共同作業ということになります」 次の瞬間、夫婦はハンマーを振り下ろした。ぐにゃり。指輪は