【ニューヨーク=有光裕】2016年のノーベル文学賞を受賞した米国の歌手、ボブ・ディランさんが、今月5日に公開された受賞記念講演で、内容の一部をネットから無断引用した疑いが浮上し、米欧メディアは14日、「盗作の疑い」(米紙ニューヨーク・タイムズ電子版)などと一斉に報じた。 最初に疑惑を指摘したのは米オンライン誌「スレート」の記事。ディランさんが、自らの曲作りに影響を与えたとして、講演で掲げた米作家メルビルの「白鯨」に触れた文章の一部が、ネット学習サイトの作品解説と酷似しているという。 ディランさんは2001年発表のアルバムで盗用疑惑が浮上するなど、近年は他のアーティストからの「無断借用」がしばしば指摘されている。ニューヨーク・タイムズ紙は「ノーベル文学賞を受賞した今となっては、その代償ははるかに大きい」と指摘した。