中国で日本人が「反スパイ法」容疑でとのニュースが話題になっている。日本がスパイ行為を行ったのか?どんな行為を?あるいは中国のでっちあげか?などなどさまざまな憶測が飛び交っている。だがそもそも中国ではどのような行為がスパイと見なされるのだろうか。本稿では「反スパイ法」の条文から「中国におけるスパイとはなにか」を考えてみたい。 スパイ行為は取り締まるが、スパイ行為が何なのかはよくわからない 2014年11月1日に反スパイ法(原文は「反間諜法」)という法律が公布・同日施行された。この法律は、スパイ行為を防止し、制止し、懲罰し、国家安全を保護するため制定されたものとされている(反スパイ法第1条)。 では、反スパイ法が定める「スパイ行為」とはなんなのか。反スパイ法第38条では以下のように定義されている。 ・スパイ組織およびその代理人が実施すること、他人が実施することを指示、援助すること、もしくは国家