経済産業省原子力安全・保安院は6日、東京電力が耐震設計上、考慮する必要がないとしていた断層のうち、福島第1原発に近い「湯ノ岳断層」(福島県いわき市)について、東日本大震災の余震でずれ、一部が地表に出現していたことを明らかにした。保安院は6日付の文書で、8月末までに各電力会社に同様のケースがないかを調べるよう指示した。 この地震は4月11日に発生し、マグニチュード7を記録した。土木研究所(茨城県つくば市)などの現地調査で、湯ノ岳断層が原因になった可能性が判明した。全長は13・5キロで、福島第1原発から約50キロ、第2原発から約40キロ離れている。 保安院は震災後の4月、原発の耐震設計上、考慮すべき断層の有無を報告するよう各電力会社に指示。これに対し、東電は5月末の報告書で、湯ノ岳断層について「地表に出たものは、別の断層の活動に伴う副次的な結果の可能性がある」と回答していた。【中西拓司】