デンソーウェーブ社長・柵木充彦さんに聞く ――コンピューターとプロ棋士の対局「電王戦」でロボットアームが登場し、話題を呼びました。 「コンピューターが指示した手を将棋盤で再現する『代指し』役として、うちのロボットアームが使われた。4月の対局で3代目だが、大きな進化を遂げている。2014年の初参加の時は、工場で電子部品の組み立てなどに使う産業用ロボットの改良版が、アームの先端についた吸引装置で駒を吸い上げて動かした。昨年の2代目は医療用ロボットがベースで、駒をつかめるようになった」 「成り」も高速化 ――最新型の特徴は? 「棋士の気が散らないように駒をつかむ時の音を静かにし、駒の『成り』も高速化した。この成りが難しく、一連の動作でスムーズにできるようにするため、改良を重ねた」 ――冗談まじりに「また技術を無駄づかいした」などという声も出ています。なぜ将棋ロボに力を入れるのですか。 「確かに本