【根津弥】福井県小浜市のゆるキャラ「さばトラななちゃん」のモデルになった雌の猫「ナナちゃん」が、14日に逝った。推定18歳。人間なら90歳近くで、9月には県獣医師会から長寿を祝福された。小浜白鬚地区の住民に愛され、世話をしてくれた野村敏子さん(86)に寄り添った生涯だった。 ナナちゃんは、サバのしま模様に似た毛並みが特徴。15年ほど前、小浜白鬚かいわいに現れ、魚屋「味家吉(みやきち)」周辺にいつしか居着いた。今はJR小浜駅前の商店街に移転した味家吉の山田純市さん(64)は「魚の匂いにひかれたのかね」と懐かしむ。 ナナちゃんに餌をやって面倒を見たのが、旧味家吉の2軒隣で八百屋を営んでいた野村さんだった。 1998年、野村さんは3月に夫の秀夫さん(当時80)を、8月に長男の研一さん(当時48)を相次いで病気で亡くした。八百屋を畳んで悲嘆に暮れる野村さんに、ナナちゃんはよくなついた。野村さんは「