NHKスペシャルが「古代史ミステリー」と題して、日本国家の始まりを特集した。第1集「邪馬台国の謎に迫る」、第2集が「ヤマト王権空白の世紀」。最近の研究成果をもとに古代史の謎に迫ったもので、興味深いものだった。 第1集は、日本古代史最大の謎とされる邪馬台国と女王卑弥呼について、まずは所在地論争の定石に従い九州説と畿内説があることを紹介。九州説についてはその代表、吉野ケ里遺跡の最近の発見を紹介している。ただ、九州・吉野ケ里説を強く補強するような目ぼしい発見はないという印象が残る。 一方、畿内説では近年の奈良県桜井市の纏向(まきむく)遺跡の発掘調査で大きな進展が見られた。纏向遺跡は、ヤマト王権発祥の地とされる奈良盆地東南部に、3世紀初頭に突如出現し、4世紀初めに営まれた東西2㌔、南北1・5㌔の広大な集落遺跡。これまで、200回近くの発掘調査で、その中心に宮殿とみられる建造物が建てられていたことな