「旧軍人・軍属には50兆円」「民間人にはゼロ」戦後補償の差を示す、あまりに残酷な数字 戦争受忍論をご存じですか? <東京・大阪・名古屋大空襲、シベリア抑留、戦没者遺骨……。望まざる戦争の被害者たちは、差別や偏見に耐えながら戦後を生き、やがて補償を求めて国を相手に裁判を起こした> 『シベリア抑留』『遺骨』などの著者で、戦後「未」補償の問題を取材し続けてきた毎日新聞学芸部記者の栗原俊雄氏。新著『戦後補償裁判 民間人たちの終わらない「戦争」』では、戦後、国を相手に裁判を起こした「戦争被害者」たちを取材し、その証言をまとめている。 彼らはなぜいまなお国と闘っているのか。「戦時下ではみんなが被害者だったのだから、我慢してほしい」――そんな「戦争受忍論」のおかしさを撃つ。 「常夏記者」と言われようと 「8月ジャーナリズム」という言葉をご存じだろうか。 1945年8月15日、大日本帝国は事実上降伏した。