訪日外国人が旅行中に困ったことの1位は、「無料の公衆無線LAN(Wi-Fi)環境」。観光庁が2011年11月に公表した調査結果は通信業界に大きな衝撃を与えた。2位の「コミュニケーション」を12.7ポイント上回る断トツの1位だったから無理もない。 あれから約6年。観光庁や総務省の努力もあって状況は徐々に改善しつつある。観光庁が2017年2月に発表した調査結果によると、「無料の公衆無線LAN環境」は旅行中に困ったことの2位。課題は依然として残るものの、前回の訪日時に比べた改善の状況を聞くと、「かなり改善している」(28.2%)と「多少改善している」(32.3%)が6割超となっている。残りは「分からない」(30.8%)が大半で、「改善していない」(8.7%)は1割を下回った。 ところが、今度はセキュリティ対策が大きな課題として浮上してきた。一部の公衆無線LANはユーザーの認証や通信の暗号化などの