近年、製造業において、ランサムウェア感染により生産が一時停止する等、産業制御システムがセキュリティインシデントの影響を受ける事案が散見されています。当該システムにおいて被害が起こった場合、被害組織の事業影響のみならず、取引先まで影響が拡大する場合もあり、被害の社会的な影響が懸念されています。こうした中、産業制御システムが影響を受けるインシデントが発生した際に対応するSecurity Incident Response Team(いわゆるSIRT)の機能への関心が産業界で見られるようになり、製造業においても産業制御システムを対象としたSIRT(以下、「制御系SIRT」という。)の必要性が取り上げられるようになりました。その立ち上げが進んできている状況はJPCERT/CCの活動からも伺え、いくつか関連する相談に対応してきました。一方で、「制御系SIRT」においては、先行して構築・運用が進められ