昭和の時代。ジャズを聴き始めるなら、専門誌を読み、ジャズ喫茶でレコードを聴き、クラブで生演奏に触れるという流れが一般的だった。しかし、雑誌は廃刊、店舗も減少しつつある現在。初心者は一体、どの音楽家の、どんな作品から聴き始めればいいのだろうか。伝統のある音楽ゆえ、門外漢からは口が裂けても言えない現代の入門方法を、菊地成孔さんがズバリ答えてくれた。 現在、ジャズの魅力をさらに深掘る特設サイト「JAZZ BRUTUS」もオープン中! 2020年代的検索から入る、新しい入門 「ジャズをまったく聴いたことのない人にとって、クラシックや歌舞伎などと同様、歴史のある音楽だから、ハードルが高い印象があると思います。さらに、ジャンルは耳にすることはあっても、しっかりした流行がないため、初心者がアクセスしづらい。情報源が雑誌から電子版へ、お勉強の場がジャズ喫茶から動画へ移行しつつある昨今を鑑みて、初心者に限り
濱瀬元彦。この固有名は新しいものではない。それはすでにあった。「来日したジャコ・パストリアスが濱瀬に会いたいと指名した」。「ミリオンヒットを連発するあるバンドのベーシストは濱瀬に師事していた」。エピソードは無数にある。あの濱瀬が17年ぶりに新作『“The End of Legal Fiction”Live at JZ Brat』を発表する。これも往年のファンにとっては新しい大きなエピソードだろう。だが、彼の率いるバンドの名前はこう示唆する。“End of Legal Fiction”(擬制の終焉)。新奇さや話題など、音楽のスペックをこぞって消費する“擬制”は終わった。我々は、“音楽のスペック”ではなく、“音楽”を聴くのだ。 濱瀬元彦 「E.L.Fは、“End of Legal Fiction”のイニシャル。これは高校生のときに読んだ、吉本隆明さんの『擬制の終焉』(62年)という著作タイトル
批評.COM Welcome to Hi-hyou.com 時事批評・音楽批評などを掲載するサイトです。2015年4月18日新装開店。Operated by SHINOHARA Akira MUSIC MAGAZINE (ミュージックマガジン) 2012年 04月号 [雑誌] 菊地成孔さんが怒っている。『ミュージック・マガジン』4月号の特集が怒りの矛先である。同号でぼくは30年以上付き合いのあった川勝正幸君の追悼記事を書 いたので、奇しくも川勝君が愛してやまなかった菊地さんの特集号に“同居”させてもらったことに因縁を感じていた。送られてきた特集記事を読んで、菊地さんにとっては「ちょっと気に障る特集になったかも」とは思ったが、正直、あまり深くは考えなかった。 が、偶然にも菊地さんのウェブサイトで2012年3月23日付の「ミュージックマガジンから撤退します」(注:現在は削除済み)という日記を
論争勃発!『ラ・ラ・ランド』チャゼル監督はなぜいつもジャズファンから嫌われる? 前作では菊地成孔と町山智浩バトルも 先月26日(現地時間)に発表された第89回アカデミー賞。下馬評で圧倒的有利とされていた『ラ・ラ・ランド』は、作品賞の発表時に読み間違えられるという前代未聞のトラブルがありつつも、デイミアン・チャゼルは監督賞、エマ・ストーンは主演女優賞を受賞するなど、最多6部門でオスカー像を獲得することとなった。 アメリカでは昨年12月に公開されていた本作。日本では先月24日にようやく封切られ、早速大きな話題を呼んでいるわけだが、絶賛の声が多く寄せられる一方で、苦虫を噛み潰している人たちがいた。ジャズが好きな観客である。 『ラ・ラ・ランド』は、売れないジャズピアニストのセバスチャン・ワイルダー(ライアン・ゴズリング)と、女優を夢見ながらもオーディションには落ち続けるミア・ドーラン(エマ・ストー
菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラールを観に行きました。小鉄さんのブログに触発され、観に行きたいと思ったからです。 『戦前と戦後』はその年の私的ベストに選ぶくらい好きな作品だったけれど、そんなに熱心なファンではないですね。いや、著書も何冊か読んでるからわりとファンなのかな。他のプロジェクト含めてライブを観に行くのは初めて。ただトークイベントは一度行ったことある。『戦前と戦後』の購入者特典で当選してチケットもらった。懸賞好きなんだよね。ただ、曲名をちゃんと把握してる楽曲は少ない。「京マチ子の夜」を学生の頃、音楽文化論の授業の終わりの方に、先生が「ミュージックビデオがエッチなので、堂々と流すのはまずいですから、電気を消します」と言って、女がバックから挿入されてる映像にあわせて、暗い教室で聴いた記憶がある。名前しか知らなかった菊地さんの音楽を聴いたのはあのときが初めてだと思う。 今回はブルーノ
菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラールは、ハープとバンドネオンを含む10人前後の編成で、ラテン、アフロ、現代音楽が混然となった音楽性、そこに映画音楽やキャバレーへの憧憬、音楽と性愛の現代的な関係性がモチーフとして奏でられる異色のミニ・オーケストラ。菊地成孔の数多いバンド、プロジェクトの中でも、メンバーの調整等の問題から、なかなか東京以外で観る機会のないこのプロジェクトの、初の大阪公演が先日行われた。 開催のニュースを聞き、行くか否か思案しているタイミングで、メールマガジンにて菊地自身が「自分のCDや本の売り上げなどの数字は、まあこんなもんかな、と納得しているが、ライブの動員だけは納得できない。もっと皆さんにライブに足を運んでいただきたい(要約)」と記しているのを見、落語、文学、音楽、ジャンル問わず関西の大衆文化を独自の視点で研究するZINE関西ソーカルの神野龍一さんとともに大阪に向かった
菊地成孔さんがTBSラジオ『粋な夜電波』の中で左腕のタトゥーが完成した話をしていました。 (菊地成孔)メールを、そうですね……(メールを読む)「こんばんは。吉田沙良さんと写っている画像で菊地さんの入れ墨を凝視してしまいました。はっきりとは見えなかったのですが、ガルーダの顔と景観が見えた気が……」。その通りでございます。「……ビシュヌ神の乗り物ガルーダ、かっこいいのを選ばれましたね。菊地さんにピッタリだと思います。利き腕にガルーダなんて、素敵……」。ガルーダっていうのはヒンドゥー教の神様……ヒンドゥー教は仏教を内包していますので、まあこのガルーダに関する詳しい解説、そして刻々と筋彫りから完成して……実はね、昨日完成したの。で、今日はね、完成2日目なんですよ。だからまだね、手がホカホカしてるんですけど(笑)。熱いわけ。色味も入れちゃったんでね。かなり左手が熱いまま、今日放送しているわけですけど
2012年に引退を表明しながら、今年9月に〈第14回東京JAZZ〉で日野皓正やラリー・カールトンとのバンドに参加し、完全復帰を果たしたジャズ・ピアニストの大西順子。89年にNYへ渡ってジャッキー・マクリーンらと共演した後、93年の初アルバム『WOW』でセンセーショナルなデビューを飾って、以降も世界的な名声を轟かせながら日本のジャズ・シーンを牽引してきた。そして11月4日(水)に東京・COTTON CLUB、11月6日(金)~8日(日)にBLUE NOTE TOKYOで、カリーム・リギンス(ドラムス)、ジェラルド・キャノン(ベース)を率いた復活第2弾のステージを早くも控え、来るべきニュー・アルバムは菊地成孔がプロデュースを担当することが発表されるなど、かつての大スターは再浮上しつつある。 今回Mikikiでは、新作のプロデューサーである菊地氏にインタヴューを敢行。〈雲の上の人〉からプロデュー
来る11月29日(火)と12月1日(木)の2日間、Motion Blue yokohamaにてディナーショウ、題して〈菊地成孔がぺぺ・トルメント・アスカラールと供に提供する『晩餐会 裸体の森へ』〉が催される。(高級)ジャズ・クラブにおいて演奏と飲食は、もとより不可分なものとされているが、あえて〈ディナーショウ〉と銘打った狙いはどこにあるのだろうか。その答えを知るべく、本イヴェントのプロデューサーでもある菊地のもとを訪ねた。さらにインタヴューの後半では、自身の音楽活動から政治、映画/ドラマや本まで、さまざまなトピックから2016年を振り返ってもらっている。 ★公演詳細はこちら 極端に秘密クラブ化された、贅沢な遊び ――さっそくですが、ディナーショウというフォーマットに込めた狙いを教えていただけますか? 「そもそもジャズ・クラブには、バーテンダーが作ったカクテルをその日のバンマスが味見して、カ
2009年にイタリアで発表され、現在では、英、米、仏、デンマーク、ブラジル、アルゼンチンと計7カ国で翻訳版が出版されているスピリチュアル・ジャズ・コミック『コルトレーン』。今年2016年は、ele-king booksでも日本版をつくらせてもらうことになり、きっとすでにお買い上げくださった方もいらっしゃることと思います。ありがとうございます。 誰もが知るジャズの巨人コルトレーンの、少年時代、軍隊時代、薬物依存、政治活動、そして恋愛と数々の伝説的レコーディングや時代背景にせまるこの評伝コミックの刊行を記念し、大谷能生さんと菊地成孔さんにご対談をいただくことができました。トークの模様はSPACE SHOWER NEWS「菊地成孔×大谷能生 ジョン・コルトレーンを語る」にて放送、このテキストはその全文を収めたものになります。日本人が漠然と抱いているコルトレーン像の虚実を切り分け、その全仕事へと誘
本編上映後のイベントには太田垣に加え、音楽を担当した菊地成孔、監督の松尾衡、小形尚弘プロデューサーが登壇。太田垣が「いかがでしたか?」と観客に問いかけると、会場からは大きな拍手が巻き起こる。「ああ、超うれしいな」と笑顔を見せた太田垣は、「まさか自分の考えた物語が、こんなに大きなスクリーンで上映される日が来るなんて夢にも思ってなかった。さっきも上から(上映を)観てたんですけど、感動してウルウルしてました」と喜びを語った。 作中ではライバル同士となるイオとダリルが、それぞれジャズとポップスを聴きながら戦闘に臨む。太田垣は「戦闘シーンがメインになるので、歌詞や楽曲の雰囲気でキャラクターの心情を表現しようと思った」と述べ、「イオはハイソな男なので、好むのはロックではないなと。音楽には疎いので、単純な発想でじゃあジャズだろうと考えて。それと対比する形でポップスをダリルのほうに当てて、そこからキャラク
SIMI LABのOMSBさんがTBSラジオ『粋な夜電波』の中でジャズピアニストの大西順子さんのアルバム『Tea Times』についてトーク。菊地成孔さんと『Malcolm Vibraphone X』という曲のレコーディングの話をしていました。 (菊地成孔)一方でですね、いまお話にも出していただきましたけど。大西順子さんのアルバムをいま私、プロデュース中で。っていうかもう、作品は完成しまして。大西順子さんのアルバムが6月22日にリリースされるんですけど。まあ、大西順子さんっていう方は、もうあのお歳で……って、私よりちょっと下ぐらいなんですけど。で、もうジャズ界のレジェンドなんですよね。 (OMSB)うん。 (菊地成孔)で、アコースティックジャズのピアノトリオでの売上の戦後の記録っていうのを持っているんですよ。第二次大戦後の。を、持っている人で。で、引退したり、出てきたり。いろいろやっぱり難
皆さん 既にご存知かと思いますが、 改めて。 KYOTO JAZZ SEXTETの ビルボードライブ大阪、 そして、 東京ジャズの ゲスト・サックスは、 菊地成孔さん! レコーディングにも参加して頂き、 今週の東阪の両公演でも 演奏をお願いしました。 菊地さんと言えば、 奇才! とか トリックスター! とか カリスマ 等 様々な呼称で その存在を知られる 日本を代表するサックス奏者。 勿論、 その音楽家としての 才能のみならず、 勢力的なリリースと 多岐に渡る活動には 常日頃から 最大限の敬意を払っています。 クールで スタイリシュにして デカダンな 印象の強い菊地さんですが、 実は 僕にとっては 熱い方。 新木場のageHaで DJ20周年記念パーティーを行なった際も 駆けつけて頂き ギャラ等度外視して 熱演して頂きました。 奇しくも 僕は 菊地さんと同じ (レベルが違うんで 恐れ多いん
翻訳家の鈴木孝弥氏をゲストに迎え、「言葉とリズム」について語りに語った、「粋な夜電波」第40回。 今回も知的好奇心をくすぐってやまない、刺激的な放送でした。 前半のジャズとヒップホップが同じく「フロウ」という問題を扱ってきたという考察では、さすが幾多の大学で教鞭を執られてこられた菊地先生らしく、内容の濃い講義ぶり。 後半は、先週の放送でも度々朗読し、強く薦めていた「だけど、誰がディジーのトランペットをひん曲げたんだ?」での鈴木氏の仕事に敬意を払いつつ、言葉を扱う上での独自のこだわりを聞き出す見事なインタビュアーぶりでした。 その、白熱した鈴木氏との対談部分の一部を文字起こししてみました。 だけど、誰がディジーのトランペットをひん曲げたんだ?―ジャズ・エピソード傑作選 作者: ブリュノコストゥマル,Bruno Costemalle,鈴木孝弥出版社/メーカー: うから発売日: 2011/12/
マーティー・フリードマン氏に決定。 <dCprG goes on LEVEL XXX「Franz Kafka’s South Amerika」tour>と題された、最新作「フランツカフカの南アメリカftウィリアム・シェイクスピア」のリリース・ツアーのうち、後半戦となる 7/22 名古屋 クラブクアトロ 7/23 大阪 梅田AKASO の2回は、都合によりメンバーの大村孝桂が出演出来ない旨、既報されていたが、名前が伏せられていた「大物ゲスト」が、マーティー・フリードマン氏であることが、主幹である菊地成孔の口から正式に発表された。 菊地曰く(以下総て、去る6/28に行われた大阪タワーレコード梅田店でのトークイベントより)「せっかくのリリースツアーに、大村君の二番手みたいな人を出してもお客様に失礼なので」「様々な大物ギタリストにゲスト出演を打診したところ」「音源を聞いたほとんどのギタリス
次にラッパーがディスるべきはスティーブ・ジョブズだと思うんですけど 『VERSE1』~『VERSE3』は、パーカッションソロにシェイクスピアの『ソネット』のダークレディ篇の朗読が乗っていますが、その意図は? シェイクスピアはパブリックドメインですし、音楽はラテンミュージックなのにシェイクスピアが乗るという、ちょっとグロテスクなぐらいの混血的なものが欲しかったんですね。 前作のように外的なエッセンスによる混血性ではなく、ということですね。 今回は曲がすっきりとしてますから、コンセプトに混血性を持たせようと。これでラテンの詩人を乗せてしまってはただのワールドミュージックになってしまいますから。あとは映画『バードマン』にいたく感動していたので、その影響もありますね。あれは音楽がドラムなんです。朗読には来日中のジョン・ビーズリーを呼んで読ませて。 『VERSE2』だけ菊地さんの日本語も被さっている
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く