『カメラを止めるな!』(c)ENBUゼミナール 映画と社会の関わり、ということを考察するなら、ここで1本の話題作に触れないわけにはいかない。2018年の日本映画をめぐる最大のトピックとしては、カンヌ映画祭パルムドールに輝いた是枝の『万引き家族』と並んで、圧倒的大多数の人が上田慎一郎(1984年生まれ)の『カメラを止めるな!』を挙げるはずである。(参考:2018年、日本映画はニューフェーズへ(中編)『寝ても覚めても』『きみの鳥はうたえる』の9月) まさに映画の枠を超え、社会現象的なヒット商品としても今年有数のビッグタイトルとなった本作のハネ具合――異例どころか前代未聞の興行的成功についてはもはや説明するまでもないだろう。監督・俳優の養成スクールであるENBUゼミナール製作・配給の、ワークショップを基盤とした完全な自主映画でありながら、都内2館からSNSによる口コミと、「口コミで話題」と報じる
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