東海地方を拠点に全国各地を飛び回り活躍するラッパー、ALCIとDJ/ビートメイカー、snucの11曲入りの共作の主題は明確──レゲエ/ダブとヒップホップの融合だ。アフロの要素を散りばめつつ、ルーツ・レゲエあるいはナイヤビンギ、UKのダブを、ある意味では忠実に吸収して表現している。レゲエとヒップホップという組み合わせ自体はいつの時代もつねにいろんな形であるものだが、彼らのルーツとなる音楽へのストレートな向き合い方が本作の最大の魅力で、それがラップの力強さとメッセージを際立たせている。 1989年にブラジルで生まれ、日本で育ったALCIは、特定のビートメイカーとがっぷり四つで組んだソロ・アルバムをすでに3枚発表している。エレクトリック・ピアノの音を多用しジャズを基調としたISAZとのファースト『365』(2018)、すべての曲でブラジル音楽をサンプリングしたUNIBALANCEとのセカンド『獏
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