[どうなるどうする温暖化]稲作:米騒動発生の危険あり、収量増加にかじを切れ 2008年7月11日 文/荒川直樹 構成/藤田 香(日経エコロジー) 九州の稲作農家にとって、昨年は久々の豊作になるはずだった。彼らの最大の敵は台風だが、昨年上陸した台風は1件だけ。稲の成長期の日照時間もまずまずだった。しかし実際に収穫してみると、収量は平年比96%と微減だったが、米が白く濁る「白未熟米(しろみじゅくまい)」の比率が高く、品質の指標になる一等米比率は27%と平年より37ポイントも低かった。 気温上昇と日射量低下が続く 「何かが狂い始めている。もう経験だけでは米が作れない」と、困惑した農家が問い合わせに殺到したのが、九州沖縄農業研究センターだった。暖地温暖化チームの森田敏上席研究員も例年の倍以上に当たる250軒の農家の対応に追われた。そして、「農家の直観は正しい。今、九州の稲作は従来の気象の変化とは