→紀伊國屋ウェブストアで購入 「「ゆるく生きたい」とは何か?」 本書(榎木博明・立花薫『「ゆるく生きたい」若者たち―彼らはなぜ本気になれないのか?』廣済堂新書、2013年)は、心理学の専門家二人が「ゆるく生きたい」という最近の若者たちについて考察した興味深い読み物である。「ゆるく生きたい」という意味は、ある程度の年齢以上の者にはわかりにくいが、読み進むにつれて現代の日本社会が生みだした現象であることが次第に明確となってくる。 「ゆるく生きたい」をとりえあず「本気を出さず、失敗を恐れる」心理として大雑把にとらえてみよう。著者たちは、最近の若者たちを観察して次のように述べている。 「小さい頃から習い事に通う子が多い。ピアノとか英語とか。スポーツをするにも、水泳教室とかサッカー教室に通う。自分たちで勝手に球技をしたり、鬼ごっこをしたりして遊んでいた時代と違って、あらゆる生活空間が管理されている。