第112回 漢語・漢字と和語について 日本語の単語には、大別して漢語と和語があり、漢語は漢字で、和語も多くの場合、漢字で表記します。 「頭」という漢字は、音読みで「頭痛(ズツウ)、頭髪(トウハツ)、饅頭(マンジュウ)」、訓読みで「あたま」と言うように、 読み方が多様です。そして、ある単語をどの読み方で使うかによって意味や感じが違ってきます。 また、同じ意味の単語でも場面により使い方が違います。 たとえば、「将来」と「未来」はほぼ同じ意味ですが、「勉強しないと将来、ろくな人間になれないよ」 と言うのを、「勉強しないと未来、ろくな人間になれないよ」と言うと変な感じがします。 このような点について、中川正之著 「漢語からみえる世界と世間」(2005年 岩波書店刊)は多くのこと を教えてくれます。中川さんは、中国語の研究者で神戸大学の教授です。 一.「レイシュ」と「ひやざけ」