「ナゴルノ・カラバフ共和国」、この自称独立国家は他の主権国家と同様に、選挙制度や通貨を持ち、そこには大統領までも存在している。しかしながら、国際法の観点から見ると、「ナゴルノ・カラバフ」とはアゼルバイジャン国内に存在する一地域に過ぎず、独立した国家として認める国はない。地球儀にも一国家として描かれることはない。しかし冷戦後、武力紛争を通じて、事実上の「独立」を獲得した。1994年の停戦以来、アゼルバイジャンとナゴルノ・カラバフの境界付近では比較的小規模の武力衝突が生じるに留まっていた。ところが20年以上ぶりに、2016年4月、2017年5月と民間人をも巻き込むほどの武力衝突が起きてしまったのだ。この問題が、アゼルバイジャン国内における問題であるという単純な解釈は適切でない。アゼルバイジャンと隣国アルメニアとの長きにわたる対立も背景にはある。その歴史は第一次世界大戦後にまで遡る。 ナゴルノ・