文:山田まさる 2012年4月1日から食品に含まれる放射性セシウムの新基準値が施行される。野菜や米穀類や肉魚などは、これまでの1kgあたり500ベクレル(Bq)から100ベクレル(Bq)に引き下げられる。 但し、いま日本の流通の現場では、今回、国が改めて提示した基準とは異なる自主基準が設けられているケースは少なくない。 この1年、流通の立場から生産者と消費者の狭間で、関係維持、回復につとめてきた「大地を守る会」の事業戦略部で放射能対策を担当する戎谷徹也さんに話を聞いた。 3.11発生直後の混乱 少し「大地を守る会」について、説明をしておきたい。同社は1975に年設立された日本初の有機農産物の宅配サービス事業会社で、現在の利用者数は約136,000人(2011年12月末)で、レストラン事業やマルシェ事業、自然住宅事業なども手掛けている。いわゆる会員制宅配サービスの中でも、「日本の第一次産業を