視察を終えて福島第一原発の敷地を出ると、すぐに民家が目に飛び込んできました。正門からの距離はわずか400メートル。屋根の瓦は崩れ、庭には雑草が生い茂っていました。この家の住人は今、どんな思いでどこに避難しているのでしょうか。実に胸が痛みます。 福島第一原発が立地する双葉町と大熊町は今も大半が「帰還困難区域」に指定されています。帰還困難区域とは政府が公式資料等で「5年以内にお戻りいただくことが難しい」と定義している地域で、住めないどころか、一時的な立ち入りも厳しく制限されています。そもそも私は、この表現自体が無責任な希望的定義だと考えます。