エンベロープ・ウイルスというのは、膜を持ったウイルスだ。それが安田さんの長年の研究テーマだった。膜を持つという共通の特徴から、見えてきたものとはなんだろう。 「膜をかぶっているウイルスには、ヒト免疫不全ウイルス (HIV)などのレトロウイルスですとか、エボラやマールブルグなどの出血熱ウイルス、それにインフルエンザウイルスなど、多くのものがあります。僕が大学院で最初に研究していたのはインフルエンザウイルスで、そのあと、HIVなどのレトロウイルスです。増殖機構に興味があって、ウイルスが細胞の中でどうやって増えるのか分子メカニズムを解析していたんです。それが、実はですね、エボラウイルスとか出血熱のウイルスもレトロウイルスと同じメカニズムを使って細胞から外に出てくるというのがわかってきたんです」 膜を持っているウイルスが増殖する仕組みは似ている。 これがたとえば、動物で哺乳類の繁殖の仕方が似ている
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