感染症の話トップページへ 感染症の話 2001年第24週(6月11日~6月17日)掲載 ◆水痘 水痘は、水痘帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus;VZV)によって起こる急性の伝染性疾患である。19世紀の終わりまでは、水痘と天然痘は明確に区別されていなかった。1875年Steinerによって、水痘患者の水疱内容を接種することによって水痘が発症することが示され、1888年von Bokayによって、水痘に感受性のある子どもが、帯状疱疹の患者との接触によって水痘が発症することが確認された。1954年にThomas Wellerによって、水痘患者および帯状疱疹患者いずれの水疱からもVZVが分離されることが確認された。その後の研究によって1970年代に日本で水痘ワクチンが開発され、現在水痘の予防に使用されている。 疫 学 水痘ウイルスの自然宿主はヒトのみであるが、世界中に