イギリス海岸に残されたアケボノゾウの足跡化石で直径は約30センチ=9月23日、原子内貢さん写す目印を置いて撮影されたアケボノゾウの足跡化石群。護岸工事はすぐそばで行われている=9月23日、原子内貢さん写す 【但木汎】岩手県花巻市内の北上川河畔の国の名勝「イギリス海岸」で行われている国土交通省の護岸工事を、宮沢賢治ファンが、はらはらしながら見守っている。賢治の作品の舞台で、点在する太古の象や偶蹄(ぐうてい)類の足跡化石群が傷つく恐れがあるからだ。 工事は花巻市上小舟渡の遊歩道近くの北上川右岸で行われている。延長60メートルの川岸が流れで削り取られ、昨年6月に一部が崩落した。洪水が発生すると危険なため、国交省は文化庁の許可を得て、今秋、着工。来年2月末に終える予定。 川岸はイギリス海岸の一部で、周辺には、炭化したクルミの実や、象類、蹄(ひづめ)がある偶蹄類など獣類の足跡の化石がある。代表