先送りの反対が前倒し。しかし「今やらなくてもいいことをやっている」という意識が自分にブレーキをかけてしまうものです。うまく自分を欺いて、うまく前倒しする方法とは? 前回と前々回で次の2つの課題について考えてきました。 仕事のスピードを上げる(繰り返されるパターン見極める) 先送りで仕事の効率を上げる(先送りで“利ざや”を稼ぐ) この2つの共通点は、かかる時間を最適化しようとするアプローチであることです。仕事のパターンを見極めることで、力を入れるべきところとそうでないところとを明確に分け、エネルギーを浪費しないようにするわけです。 このことは、自転車のペダルをこぐときのことを想像してみると分かりやすいでしょう。走り始めは、力いっぱいこぐ必要がありますが、ある程度スピードが出てくればペダルは軽くなりますから、力を抜いても支障はありません。むしろ、スピードに任せてこがずにおく方が無駄なエネルギー
集中力や記憶力の衰えを感じていたのだが、スポーツ分野のメンタル・トレーニングの本を読んでいると、こうした問題を小技でしのぐという考え方ではなく、積極的に精神力を鍛えてゆくことの必要性を感じた。 先日、久々に書店に行きふらふらと集中力に関する本を探した。田舎の書店なので本の数はそれほど多くはないが、それでもスポーツのコーナーにてメンタル・トレーニングの本を見つけ「これだ」と思った。 スポーツにおけるメンタル・トレーニングの重要性が高まっているらしい。技能においては同等の選手がひしめく状況では、モチベーションや「あがり」の問題などの精神面での差が結果につながるからだ。 メンタル・トレーニングの本をパラパラしていると、強い既視感に襲われた。要は速読や視力回復のトレーニングと同様なのだ。学生時代、速読や視力回復のトレーニングをよくやっていた。視力は向上しなかったが、速読や短期記憶の向上には役立った
私は、福岡に住んでいるんで、福岡ソフトバンクホークスを応援しています。ホークスが福岡に移ってからそう。今年こそは、優勝をと思ってシーズンに望んだのですが、意外にもパリーグの首位は、西武ライオンズ。 ホークスファンの私から見ると、シーズン前の予想では、ライオンズは5位か、6位ではないかと思っていました。去年も5位だし、和田、カブレラというクリーンナップが抜けたんですから、打線の力は格段に去年より下がるだろうと素人なりに考えていました。優勝どころか、ポストシーズン争いにも絡んでこないなと思っていました。しかし、フタを明けてビックリ。打つわ。打つわ。ホークスファンの私からすると、羨ましい限り。 各人が、伸び伸び、思いっきりフルスイングしています。そして、12球団1のホームラン量産。カブレラ、和田の穴を補うどころではなく、お釣りが出ています。去年までの選手達とそれほど、メンバーは替わっていないので
ちょっと前に、佐々木俊尚氏のコラムに私の名前をあげて事実誤認の記述があったので、コメントで訂正したのだが、今月の『諸君』にも同様の記事が出ている。さすがに私の名前がはずされているのは、事実誤認は認めたということだと思うが、これは私個人の問題を超えて、今度のネット規制法の運用にもかかわる問題なので、コメントしておく。 今度の規制については、「有害情報の例示」や「登録制」など問題は残るが、基本的に民間による自主規制という線が守れたのはよかった(高市氏は採決に欠席したそうだ)。これは民主党が粘った結果で、「健全野党」としての存在感が示されたと思う。しかし問題は、民間だけでどこまで実効あるコントロールができるかということだ。携帯はともかく、ウェブでは(海外も含めれば)最初から100%取り締まるのは不可能で、これは公的規制にしても同じだ。 問題は、最初からルールを守る気のない確信犯である。たとえ
三越な人 VS 伊勢丹な人 ブランドデータバンクは4月25日、インターネットのアンケートデータを基に49のブランドユーザーをプロファイリングした書籍『ブランドの達人 改訂版』の出版記念イベントを開催した。「三越な人 VS 伊勢丹な人」をテーマにユニークなブランディング手法を紹介した。 同社は、3万人のネット調査データ(ネットマイル提供)から約130ジャンルにわたるブランドの実所有状況を取得し、一般消費者がどの商品や企業などを好んでいるのか把握するためのデータベースサービスを提供する。特定商品の実ユーザーを1つの軸として、他ジャンルの所有ブランドとの相関関係などが多面的に解析できるという。 ネットによる調査データを企業マーケティングに使うことに対して、信ぴょう性を問う声もいまだ少なくない。同社の坂井光代表取締役は「以前と比べてインターネットリサーチのバイアスは減ってきている。また、『ネット=
情報を伝えるには、抽象的に話をする力と具体的に話をする力の2つが必要になってきます。 抽象的な話と、具象的な話。どちらの方がインパクトがあるでしょうか? 答えは、具体的な話。 なんとなく、理解はできていたのですが、約1年間ブログを自分で書いてみて、ブクマという数値が見える化されてみると、この事が実感できました。 このエントリを書いている時点で、14964ブクマがあるのですが、人気のエントリを上から見ると、上位のほとんどは「具体的なエントリ」です。具体的エントリとは、マニュアル的であったり、ポイントのみを示す形のエントリ。すぐに、使う事がイメージできるようなエントリ達です。 逆に不人気なのが、抽象的なエントリです。考え方や概念、コンセプトなどを書いたエントリは不人気。抽象的な事を、多くの人に「なるほど」と思わせるのは、難しいものです。まだ、私に抽象的な内容を訴えるだけの文才が追いついてないの
Freeman DysonがNY Review of Booksに、Nordhausの新著とイェール大学で行なわれた国際会議について書いている:Nordhausの分析は、地球が温暖化することを前提にした、環境経済学の第一人者による政策評価である。その結論は、炭素に課税することが地球温暖化に対応する必要十分条件だということで、排出権取引などは非効率な結果をもたらす有害なレトリックである。 イェール大学の会議では、科学者の賛否両論がわかれている。MITのLindzenは温暖化は起こっていると認めるが、その弊害は誇張されており、人間活動の影響も過大評価されていると主張する。これに対して議長は中立な立場だが、「多数派」を代表するポツダム大学(ドイツ)のRahmstorfは、Lindzenの議論を「世界の気象学者によって否定されたバカ話だ」と一笑に付す。 Rahmsdorfは、科学の歴史を学んだ
『文章のみがき方』を読んだので書評を。 文章のみがき方 (岩波新書) 作者: 辰濃和男出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2007/10/19メディア: 新書購入: 6人 クリック: 77回この商品を含むブログ (68件) を見る 「天声人語」を13年間担当した朝日新聞の元論説委員辰濃和男による文章論。 ある日ふと、いままで書き写した言葉のうち「文章論」に関するものだけでも整理しておこうという気持ちになり、散らばっていたものを集めはじめました。さまざまな人の言葉を体系づけて、私の感想を書きそえてみようと思い立ったのは、もう五、六年前です。 この本は、さまざまな方々の「文章論」や「作品」を読み、私がそこから学んだことを記したものです。 『文章のみがき方』 〜まえがき P.鄯〜 「文章を書く」プロが、「文章を書く」達人の、「文章を書く」ことに対する金言を集め、それを5〜6年をかけ、整理し、評
けさの日経新聞によれば、洞爺湖サミットに向けて政府が今月出す「福田ビジョン」に、政府は温暖化ガスの国内排出権取引制度を明記することを決めたそうだ。かねてから主張しているように、私は(多くの世界の経済学者と同様)この政策には反対である。その理由は、大きくわけて次の4つだ: 第1に、地球温暖化が起こっているのかどうかが疑わしい:今年初め、世界の主要な4つの気候観測機関がそろって、2007年に地表の平均気温が約0.6〜0.7度下がったことを発表した。これは年間としては記録史上最大の低下であり、その後も続いている。図のように、ここ20年のトレンドをとってもほぼ横ばいである。1970年代までは寒冷化していたことが知られており、温暖化が単調に進むというトレンドはみられない。 第2に、温暖化が起こっているとしても、その主要な原因がCO2であるというIPCCの結論には疑問がある:国内だけでも、当ブログ
企業価値評価・経済・金融の仕組み・株式投資を分かりやすく解説。理解を促進するためのDVDや書籍も取り扱う板倉雄一郎事務所Webサイト 昨日のエッセイ(ITAKURASTYLE 「週末の徒然」)書いた数時間後に、米雇用統計が発表されました。 評価者によってその評価は様々ですが、米のリセッションを裏付ける数値の一つではないでしょうか。 先日のエッセイ(ITAKURASTYLE 「経済動向と相場の見通し」)にて、 「7月以降に米リセッションを示す数値が次々に出るのではないか」 と書きましたが、これもう少し前倒しになるかもしれませんね。 ただし、為替、株式、債券など相場(価格変動)がどれほど影響を受けるのかについて正直、僕には分かりません。 そもそも、昨年の秋から書き続けてきたように、サブプライム債券「それ自体の損失」は、その規模(様々な情報がありますが2,000億ドル~5,000億ドル)からして
企業価値評価・経済・金融の仕組み・株式投資を分かりやすく解説。理解を促進するためのDVDや書籍も取り扱う板倉雄一郎事務所Webサイト 特に「お知らせ」のない週末は、軽ぅ~く読める徒然にお付き合いください。 <世界的インフレ ⇒ 世界的金利上昇> お金のバラマキ(←低金利、高レバレッジ)が続けば、お金のモノやサービスに対する価値が下落するわけですから、インフレになるのは当然ですよね。 ある国の国内の景気減速を回避するために、その国の中央銀行が低金利に誘導することは定石ですが、一方で経済、特に「お金」は、国境をまたいでグローバルに自由に移動すること(キャピタル・フライト)ができるわけですから、成長著しく、本来インフレ抑制のために金利を高く誘導すべき国にまで、低金利政策をとる国からの資本が流入するわけです。 いわゆる「円キャリートレード」も、その一例です。 また、企業の場合、どの国に「所在」して
町村官房長官の減反見直し発言が、大きな反響を呼んでいる。若林農水相が反発する一方、民主党は賛成している。町村氏の発言は私の地元、北海道ではコメができる場所(水田)の半分は使っていない。世界で食糧不足の国があるのにもったいない。減反を見直し、コメを増産することが国際貢献になる。という常識的なものだ。しかし農水省の白須事務次官は、「生産調整を止めて好き勝手に作らせれば、当然コメ価格はどんどん下落する。農家が打撃を受ける」と述べ、自民党の食料戦略本部長を務める加藤紘一氏は「コメは余っている。大豆や小麦を作らないと駄目だ」と述べた。 これは日本の農政の社会主義的な発想を示すものだ。どんな作物をどんな価格で売るかは、市場で決めるべきであって、政府が決めることではない。増産で価格が下がるといっても、日本の米価は国際価格の3〜4倍で、国際標準に近づくだけだ。百歩ゆずって(サラリーマンより高い)兼業農家
ASCII.jpのコラム「地デジのIP放送、なぜ東京ローカル?」に、鬼木甫氏(大阪学院大学教授)からコメントをいただいたので、そのまま掲載する:「地デジのIP放送、なぜ東京ローカル?」を読んで、筆者は江戸時代の幕藩体制を連想します。「自由な移動を許さない」点で両者が共通しているからです。 江戸時代には国民がそれぞれの藩内に閉じ込められ、藩外への移動は関所によって制限(規制)されていました。このシステムは、藩主と藩の支配者(上級武士)が藩を統治し、藩内の農民から富(租税)を集める役を果たしていました。もし藩外への移動を自由化すれば、農民は暮らしやすい場所に移ることになり、農民からの収税の上に成り立っている体制が崩れるからです。そして全国にわたる藩の頂点に幕府があり、将軍を名目的リーダーとした幕閣が幕藩体制を動かしていました。つまりこのような幕藩体制は、武士による農民の支配を維持し、「中世的
時間管理(タイムマネジメント)の著者兼講師が運営するブログです。「時間管理」はもちろん「働くこと」に関する情報やノウハウをお伝えしてはや5年。まだまだ続きます! こんにちは。水口です。 今日は、「仕事のムダをなくす」話です。 ■ 今週の「プロフェッショナル」 今週の「プロフェッショナル 仕事の流儀」という番組に、 山田日登志さんが出演されていました。 (その回の概要は↓こちらのサイトにも掲載されています) 第84回 工場再建・山田 日登志(2008年4月15日放送) | NHK プロフェッショナル 仕事の流儀 山田日登志さんは、いろいろな会社に対して、工場の生産性を向上させるため の指導をされている方です。 「工場の生産性を上げる」といえば、最も有名なのは、「トヨタ生産方式」では ないでしょうか。「JIT(ジャストインタイム)」や、「かんばん方式」といった言葉を 聞いたことのある方は多いと
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