異国の文化との接触は時にそれまで気づかなかった自国の特性を認識させてくれたりするものですが、今日は歴史上の海外との交渉、日本戦史上の国際戦争から日本人の特性を考えてみたいと思います。 1/4.古代の国際戦争と日本人 古代日本帝国は、朝鮮半島で中国の唐帝国と戦い白村江の戦い(663年)に惨敗することになったのですが、この戦いについては、『日本書紀』に以下のような記述があります。 日本諸の将と百済の王気象を見ず、しかして相謂いて曰く、我等先を争わば彼まさに自ずからに退くべし。さらに日本の乱れたる伍の中軍の卒を率いて進んで大唐の軍を打つ。大唐すなわち左右より夾んで舟を繞り戦う。ときのまに官軍敗続れぬ。(『日本書紀』27巻) <訳> 日本は将軍たちと百済の王が状況も見定めず、口々に、「我等が先を争って襲いかかれば敵は勝手に逃げ出すに違いない」と言った。そして日本の乱れた隊列の中軍の船団を率いて大唐