5月26日の衆院予算委員会で、立憲民主党の泉健太代表が「物価高を止めるという意味では金利を少し引き上げることも選択肢に入れるべきではないか」と質問した。 金融政策の鉄則として「ビハインド・ザ・カーブ」というものがある。インフレ(物価上昇)に対して意図的に利上げのタイミングを遅らせることだ。逆にいえば、物価の上昇を先取りする予防的な利上げは行わないという伝統手法だ。 米国で実際に行われたので、米国のインフレ率の推移を見ておこう。全体の消費者物価指数の対前年同月比は、今年1月が7・5%、2月は7・9%、3月は8・5%、4月は8・3%だった。エネルギーと食品を除く指数は1月が6・0%、2月が6・4%、3月が6・5%、4月が6・2%だった。