前回の記事『「トッツキ」と「イロケ」の世界【その5】~二種類いるトッツキ礼賛者~』の続き。 今回の引用部分において、山本七平は、トッツク人間の性向と似たものを、新聞記者が持っていることを指摘しています。 (前回の続き) この「逆」すなわち復讐の方法は実に多種多様で、私の知っているだけで十以上になるが、一番普及していたのが「フケメシ」であろう。 私と同時代に大日本帝国陸軍にいて、「フケメシ」という言葉を知らない者はおるまい。 旧軍隊をいかに美化したところで、また内藤誉三郎氏がいかに一糸乱れずと感じたところで、そんな虚飾は、この「フケメシ」という言葉の存在の前に、一瞬にして消しとんでしまう。 三島由紀夫氏が切腹したとき、私は反射的に、氏はこの「フケメシ」という言葉を知らなかっただろうなと思った。 フケメシとは読んで宇の如く、メシの中にフケをまぜて食わせることである。 もちろん本当ではあるまいが