前回の記事では、大企業は自社の資源を使って外部のコミュニティに貢献してほしいという話をしました。けれども、やみくもに個々に対する配慮を高めればいいというものでもありません。企業がローカル性に対して敏感になりすぎると、分散化して中核を失ってしまいます。つまり、その企業の持ち味や文化が損なわれてしまうということです。 日本を例にとってみましょう。日本の大企業の明らかな特色として、女性が高いポジションに就任にくいという状況が挙げられます*。マルチナショナル企業が日本に支社を作る際、これを逆手にとって優秀な女性を登用しているというのが現状です。日本の習慣を取り入れると、女性を昇格することができないわけですから。でも、女性がシニアポジションに就く機会を与えられていないということは、才能ある人間の50パーセントが有効活用されていないということで、非常にもったいない話だと言わざるを得ません。 大企業とし