2013年11月に台風ハイエンが直撃したフィリピン中部レイテ島の都市タクロバン。シャッター・スピードを遅くして、 現場の混乱と動揺を見る者に伝える <被災後の強制移住や治安悪化、貧困による人身売買――過酷な環境よりも厄介なのは自然災害がもたらすこうした「人災」だ> 熱帯地域に位置するフィリピンは自然災害が多いことでも知られる。特に台風は年にいくつもが直撃し、普段は水不足に悩む農村を水没させ、家や畑を流し去る。その後には、また容赦なく日照りが繰り返される。 観測史上最大級の猛威を振るったのが13年の超大型台風ハイエン。6000人以上の人命が奪われ、600万人が家を失った。とりわけ被害が大きいのは沿海部や島しょ部の住民だ。 フィリピン人フォトグラファー、ビージェイ・ビラフランカはこうした現実を直視しようと被災地を撮影した。苛烈な環境よりも厄介なのは、自然災害がもたらす「人災」だ。被災後の強制移
![【写真特集】フィリピン被災地の「凶兆(シグノス)」を捉えて](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/6e9c52ccfc3a23d4f1470aa27cbf48baa2503d09/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.newsweekjapan.jp%2Fstories%2Fassets_c%2F2018%2F10%2Fpptyphoon01-thumb-720x405-143586.jpg)