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ブックマーク / www.hattorimichitaka.net (247)

  • 砂糖はベラルーシの隠れた名産品 : ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

    実は、製糖産業はベラルーシにとって重要産業の一つである。ベラルーシ国内には4箇所の精糖工場があり、国内で生産されるテンサイ(サトウダイコン)を原料に利用するだけでなく、サトウキビ由来の原料糖も輸入し、白糖への加工が行われている。ベラルーシの白糖の輸出余力はユーラシア経済連合で最も大きく、ロシアを中心としたユーラシア域内市場に輸出することで高い稼働率を維持している。 それで、こちらのサイトに、下に見るように、ベラルーシ砂糖産業の近況を図解で示した資料が掲載されていたので、これをお目にかける。図は上から、テンサイの州別収穫高、砂糖生産高、そして砂糖の輸出相手国を示している。

    砂糖はベラルーシの隠れた名産品 : ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ
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    El_Fire 2018/02/21
  • AN-148に関する補足情報 : ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

    墜落事故を起こしたAN-148につき、すでにこちらで概要を報告したが、以下、いくつか補足情報をまとめておく。 こちらによると、VASO社の2017年第4四半期の財務報告では、同社が今後もAN-148を生産継続する意向と明記されていた。今回の事故を受け、インターファクスが同社広報に問い合わせたところ、「今後も発注があればAN-148を生産する」との回答だった。なお、VASOの今後の生産計画には、AN-148以外では、旅客機IL-96の生産、輸送機IL-112Vの生産、SSJ-100およびMS-21等向けの下請けユニット生産が含まれている。 2017年12月のこちらの記事によると、VASOはロシア国防省と2013年5月にAN-148の軍用輸送機15機を納入する契約を結んでおり、2017年には2機が引き渡された。2018年にも2機が予定されている。 2017年11月のこちらの記事によると、ロシア

    AN-148に関する補足情報 : ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ
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    El_Fire 2018/02/16
  • ロシアとウクライナの対立に引き裂かれたAN-148 : ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

    乗客・乗員71名が亡くなったサラトフ航空機の墜落事件。事故原因は現時点では不明であり、機体の技術的な問題なのかは明らかでないが、いずれにしても問題の機種AN-148について確認しておけば、これはソ連時代以来の伝統を誇るウクライナのアントノフ設計局が設計したリージョナルジェット機である。ロシアウクライナ両国間の分業関係にもとづきつつ、最終的な組立も両国それぞれで行われていたが、ほとんどがヴォロネジ航空機製造株式会社(VASO)による組立だった。 AN-148機の開発・生産の経緯についてこちらの記事が良くまとまっていたので、以下抄訳して紹介する。 ヴォロネジのAn-148生産ラインは、2018年に凍結される可能性がある。その原因は、ロシアウクライナ関係の悪化で、必要な部品やユニットを調達するのが困難になっていることである。 ウクライナからの部品の納入の遅れは、AN-148の生産開始当初から

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    El_Fire 2018/02/15
  • さすがのベラルーシも過度なロシア依存は警戒 : ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

    こちらの記事によると、ベラルーシのセマシコ副首相は、ロシア産エネルギーへの過度な依存は危険である旨発言した。副首相によれば、ベラルーシの発電の95%は、天然ガスを利用している。たとえどんな友好国であろうとも、我が国のエネルギー需要の95%を一国に依存するというのは、危険である。だからこそ我が国は原発を建設し、その依存を回避しようとしている。近い将来に天然ガス価格が値上がりするはずで、その頃までには原発の建設が完了し、そうしたリスクにある程度備えられるはずである。セマシコ副首相は以上のように述べた。(実は原発建設の資金も技術も、核燃料もすべてロシアに依存するわけだが。) ブログランキングに参加しています 1日1回クリックをお願いします

    さすがのベラルーシも過度なロシア依存は警戒 : ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ
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    El_Fire 2017/06/15
  • ベラルーシがようやくユーラシアの関税法典に署名 : ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

    昨日お伝えしたように、1年以上続いてきた石油ガス供給をめぐるベラルーシとロシアの対立が、このほどようやく解決した。そして、明らかにこの両国の歩み寄りを受けた動きになるが、こちらやこちらの記事が伝えているとおり、ベラルーシのルカシェンコ大統領は4月11日、ユーラシア経済連合の関税法典に署名を行った。当ブログでも何度か報告してきたとおり、昨年12月に開催されたユーラシア経済連合の首脳会合をルカシェンコはボイコットし、同会合では目玉であったユーラシア経済連合関税法典への署名を、ベラルーシ抜きの4ヵ国首脳だけで行った経緯があった。ユーラシア経済委員会によれば、ルカシェンコの署名はすでに事務局に届いており、近く関税法典はウェブサイトに掲載されることになる、という。 なお、ユーラシア経済連合の概要をまとめた便利な図がこちらに出ていたので、転載させていただく。

    ベラルーシがようやくユーラシアの関税法典に署名 : ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ
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    El_Fire 2017/04/16
  • ドニプロ冶金コンビナートが操業停止 : ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

    こちらの記事によれば、ウクライナの主要製鉄所の一つであるジェルジンシキー記念ドニプロ冶金コンビナートが、操業を停止したということである。同工場はドンバス工業連合(ISD)財閥に属し、ドニプロペトロウシク州カミャンシケ市(旧ドニプロジェルジンシク市)に所在している。同社の発表によれば、財務面での問題および運転資金不足と、ドンバス占領地との貨物輸送の途絶によりコークス供給が途絶えたことが原因という。従業員に賃金は支払われる。 ブログランキングに参加しています 1日1回クリックをお願いします

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    El_Fire 2017/04/06
  • 今となってはウズベキスタンがロシア最大の友好国? : ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

    ウズベキスタンのシャヴカト・ミルズィヤエフ大統領がロシアを訪問し、4月5日にプーチン・ロシア大統領との首脳会談が開催され、両国間で39もの文書が調印されたということである。そのリストはこちらのサイトで閲覧できる。以前、「ロシアとウズベク、労働移民に関する協定締結へ」というエントリーをお届けしたが、その時に言及していた労働移民問題に関する政府間協定も結ばれた。 中央アジアの低開発国からはロシアに大量の労働移民が出稼ぎに出ており、キルギスなどの国にとっては件がロシアを盟主とするユーラシア経済連合に参加する最大の動機となっている。しかし、今回ウズベキスタンは二国間協定でその問題に決着をつけた形であり、逆説的な状況である。ロシアがベラルーシのようなユーラシア経済連合加盟国と対立を重ねている今となっては、逆にウズベキスタンのようなある程度距離を置いている国の方が、ロシアと友好的な関係を築けたりす

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  • ロシアとベラルーシのエネルギー協議、物別れに : ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

    こちらの記事によると、過去1年ほど続いている石油・ガスの供給をめぐるロシア・ベラルーシ間の対立につき、解決策を探る両国政府間の交渉が3月30日に行われたものの、物別れに終わった。件は、2016年初めから、ロシアの供給するガスの料金が不公正に高いと主張して、ベラルーシ側が一方的に引き下げた価格での支払を行い、その結果7億ドルの債務が累積、ロシア側はベラルーシへの原油供給を削減するという対抗策を示していたものである。不調に終わった今回の政府間交渉につき、ロシアのノヴァク・エネルギー相は、次のようにコメントした。いわく、残念ながら、紛争の調整につき、最終的な合意は得られなかった。最大のネックは、ベラルーシ側が、大幅な値下げと支払期限の延長がなされなければ、債務を償還しないとしていることである。我が国からすれば、ベラルーシの立場は充分に建設的とは言えないが、この紛争は我が方から始めたのではなく、

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    El_Fire 2017/04/02
  • アルメニア、議院内閣制へ移行 : ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

    最新の情報というわけでもないはずだが、個人的には初めて知ったので、メモしておく。こちらの記事によると、アルメニアは、大統領の権限が強い半大統領制から、首相・議会の権限が強い議院内閣制に移行しようとしているということである。大統領という役職は残るものの、名目的な国家元首となり、儀典的な役割を果たすだけとなる。それに伴い、たとえばユーラシア経済連合やCIS集団安保機構の首脳会合に出席するのも、大統領ではなく、首相になる予定だという。セルジ・サルキシャン現大統領の任期満了に伴い、新たな政治体制に移行する。上掲写真はカレン・カラペチャン首相。 ブログランキングに参加しています 1日1回クリックをお願いします

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    El_Fire 2017/04/01
  • ロシアの反汚職デモ : ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

    経済難にもかかわらず、政権への支持率は高く、国内情勢は安定しているかと思われたロシアとベラルーシで、それぞれ別のきっかけにより、かなり大規模な反政権デモが発生している。ロシアの方は、反体制ブロガーのアレクセイ・ナヴァリヌィ氏が、メドヴェージェフ首相の重大な汚職を暴露したことが発端になっている。詳しくフォローする余裕はないが、発端になった動画は上掲のもので、3月2日に公開されたようである。こちらのサイトで、そのテキストバージョンを閲覧することも可能。 動画をざっと見てみたが、複雑なスキーム、親友・旧友の仲介、オフショア企業などを使い、またオリガルヒからの資金提供を受け、メドヴェージェフが超豪華な別荘、ヨット、ぶどう畑およびワインセラーなどの莫大な資産を実質的に手に入れているということが、非常に克明に検証されている。真に迫った内容であり、動画のプレゼンも良く出来ている。ただ、どういう経緯で、今

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    El_Fire 2017/03/28
  • ウクライナ社会に充満する不満 : ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

    ウクライナのキエフ国際社会学研究所は、定期的に実施している全国世論調査において、「貴方は社会的な抗議活動に参加する用意があるか?」ということを問うているようである。2016年12月に実施されたその最新結果が、こちらのページに出ている。今回の調査では、参加する用意があるという回答が48.5%、ないという回答が45.6%、回答困難が5.9%だった。参加する用意があるという回答者は、上図に見るとおり、今回の調査で過去最高レベルに達したようである。こうやって見ると腐敗していたヤヌコーヴィチ時代の方が民心は安定していたようであり、もとの濁りのヤヌコこいしきといったところだろうか。 なお、今回の調査結果を地域別にみると、抗議活動参加の用意があるのは、西部で49.2%、中部で43.5%、南部で50.0%、東部で57.2%となっている。一方、こちらに見るとおり、ユーロマイダン革命直前の2013年11月に実

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    El_Fire 2017/03/23
  • ドンバス紛争とアフメトフの利害 : ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

    こちらのサイトに、ドンバス紛争とオリガルヒのリナト・アフメトフ氏のかかわりについて論じた論考が掲載されているので、その要旨を以下のとおりまとめておく。 ドネツィク人民共和国、ルハンシク人民共和国は、ウクライナ側によるドンバス封鎖の解除を求めていたが、期限として設けていた2月27日までに解除されなかったので、3月1日に在ドンバス企業に対する外部管理に踏み切った。ドネツィク人民共和国のトップであるザハルチェンコによれば、これまで企業がウクライナ側に納税していたのか、人民共和国側に納税していたのかを精査し、前者の場合には人民共和国への登記変更を行い人民共和国に納税する必要があるという。 ドンバスの占領地には、アフメトフ氏のSCM傘下のDTEK、メトインヴェストに属す企業が47社所在する。メトインヴェスト系で主なものには、カリミウシケ(旧コムソモリシケ)鉱山管理局(上掲写真)、ハルツィシク鋼管工場

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    El_Fire 2017/03/23
  • リトアニア~ベラルーシ輸送路に見切りをつけるロシア : ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

    ロシアはなぜゆえにベラルーシを重視するのか? かつて、その一つの要因として挙げられていたものに、飛び地である戦略的要衝=カリーニングラードへの輸送路確保というポイントがあった。ベラルーシとカリーニングラード州が直接地続きになっているわけではないのだが、ロシア土とカリーニングラードとの鉄道輸送はベラルーシとリトアニアを通るので、カリーニングラードという飛び地を維持するためにも、輸送路としてのベラルーシを押さえておく必要があると、まあそんなような言説があった。ちょっと分かりにくいかもしれないけれど、上掲の図参照。 しかし、そうした状況が変わりつつあるようである。こちらの記事によれば、ロシアは料金への不満ゆえにリトアニア~ベラルーシの鉄道輸送路を敬遠し、カリーニングラードとロシア土を結ぶフェリー輸送(自動車だけでなく鉄道車両も運ぶ鉄道連絡船)を強化する方針のようだ。 記事によると、カリーニン

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    El_Fire 2017/03/18
  • ベラルーシの「穀潰し課税」反対デモ : ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

    ベラルーシで反政府デモの動きが広がっているのだが、一体何について揉めているのか、一般の皆さんには分かりにくいと思う。実はベラルーシでは2015年に「穀潰し課税策」とでもいうべき制度が導入された。国民が失業をすれば、日であれば失業手当を受けられたり、長期的な貧困に陥れば生活保護が受けられたりするところ、ベラルーシではそうした人は働かずに国民経済に貢献していない者だと位置付けられ、課税されることになったのだ。正直、なぜ今になって反対デモが起きているのか、個人的に分からないのだが、とにかくこの政策反対を掲げるデモがミンスク、モギリョフ、グロドノなどの大都市で発生し、逮捕者も多数出ているということのようである。 こちらの記事によれば、多くのデモ参加者は特定の野党に属しているのではなく、あくまでもルカシェンコ政権がもたらした今日の経済難がデモ参加の理由だという。デモ隊のプラカードには、「国民にとっ

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    El_Fire 2017/03/18
  • ベラルーシではやはり対ロシア統合賛成が主流 : ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

    ベラルーシにアンドレイ・ヴァルドマツキーという社会学者がおり(上掲写真)、以前はベラルーシ国内でややコマーシャルな調査業務などをやっていたのだが(その意味では社会経済政治独立研究所=IISEPSなどに比べると野党色は薄かった)、それでもベラルーシでは活動できなくなったのか、2012年からはポーランドのワルシャワに拠点を移し「ベラルーシ分析室(BAW)」と称し活動を続けているようである。こちらがそのHPだと思うのだが、更新は2015年で止まっている。 こちらのニュースによると、2016年12月にそのBAWがベラルーシの対外戦略に関する世論調査をベラルーシ全土で1,048人を対象に実施した。その結果、回答者の64.9%はロシアとの連合関係を選好し、EU加入を望む者は19.1%だけだった(分からないが13.9%、無回答が2.2%)。ただし、ベラルーシとロシアが完全に1つの国に統合されることを望ん

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    El_Fire 2017/03/01
  • ルカシェンコが誕生日を変更した件 : ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

    どうでもいいような話だが、これまで個人的に認識していなかった件なので、書き留めておく。ルカシェンコ・ベラルーシ大統領の誕生日である。 従来の公式バイオグラフィでは、ルカシェンコは1954年8月30日生まれとされており、私などもそのように紹介していた。しかし、ルカシェンコは2009年になって突然、「私は当は8月31日の生まれだ」と言い出したそうである。現に、大統領の公式HPでも、現在は8月31日生まれとされている。そして、どうもそのことは、溺愛する末っ子(婚外子)ニコライ君の存在と関係があるようなのである。 ロシア語版ウィキペディアによると、2009年の現地紙のインタビューでルカシェンコは、「私も一人の人間で、私には子供たちがおり、特に末っ子のニコライは目に入れても痛くない。彼は今日5歳になり、一方私は55歳である。我々は同じ8月31日に生まれたのだ」と述べたということである。 歳をとって

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    El_Fire 2017/02/15
  • ベラルーシ国家が主導する鉄鋼業の高付加価値化 : ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

    上掲動画は、2015年9月にベラルーシ冶金工場(BMZ)で新たな圧延設備が稼働し、その際にルカシェンコ大統領が工場を訪問してセレモニーを行った際の様子である。 こちらの記事などが伝えるところによると、この近代的な設備により付加価値の向上が可能になり、鉄鋼生産のバランスがとれるようになる。この設備の生産能力は年間70万tで、100万tまで拡張することも可能。すでに2015年3月から試験・調整運転が行われており、9月までに3.6万t、1,500万ドルが輸出された。生産の約75%が輸出されることが想定されており、また線材の完全な輸入代替、鉄筋の90%以上の国内自給が可能になる。輸出はブルガリア、イタリア、リトアニア、ポーランド、米国、フランス、チェコ、スロバキア、ドイツ、オーストリア、ベルギー向けに行われている。同プロジェクト投資総額は3.3億ユーロであり、「2011~2015年のベラルーシ・

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    El_Fire 2017/01/20
  • 劣化するウクライナの黒土 : ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

    ウクライナ=肥沃な黒土という図式があり、鉱工業の衰退が進む中で、農業が同国を支える度合いが強まっている。 しかし、こちらに見るように、ウクライナの土壌・農業化学研究所のスヴャトスラウ・バリューク所長はこのほど、ウクライナの黒土が劣化していることを指摘し、警鐘を鳴らした。所長によれば、ウクライナ黒土の養分は、すでに西欧の農地の半分となっている(西欧では化学的な施肥の時代が150年以上続いているので)。過去130年間でウクライナの黒土は腐植質の30~40%を失い、もはやその肥沃さは平均的なレベルにすぎなくなっている。ウクライナ黒土2,600万haのうち、1,500haは劣化した状態にある。米国で行われているように、ウクライナでも土壌保護のための国家機関が必要である。研究所は、農業省と共同で、土壌保護のための法案を起草した。バリューク所長はこのように語った。 このバリューク所長の指摘を踏まえたこ

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    El_Fire 2017/01/06
  • ベラルーシ自由劇場の闘い~“欧州最後の独裁国家”の中で~ : ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

    昨年秋にNHKのBSで放送され、個人的に録画はしてあったが、何となく気が重く未視聴でいたドキュメンタリー番組を、このほどようやく観た。「BS世界のドキュメンタリー」のシリーズで放映された「ベラルーシ自由劇場の闘い~“欧州最後の独裁国家”の中で~」である。米国制作の番組で、その内容は、 “ヨーロッパ最後の独裁国家”とも呼ばれる旧ソビエトのベラルーシ共和国。その中で、弾圧を受けながらも現体制を批判し続けてきた「ベラルーシ自由劇団」の活動に密着する。 ベラルーシ自由劇団は、元ジャーナリストや元国立劇場所属の俳優たちが作った小劇団。20年以上も続くルカシェンコ大統領の独裁政権下で、自由と解放を求めて活動してきた。しかし、2010年の大統領選挙で対立候補を応援したことが原因で政府に目をつけられ、身の危険にさらされたメンバーは亡命を余儀なくされるが、国外から「表現の自由」を訴え続ける。(2015年国際

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    El_Fire 2017/01/04
  • ウクライナ各州の輸出相手地域 : ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

    自分の研究テーマにかかわる便利な図がこちらに出ていたので、メモがてらお目にかける。2013~2015年のウクライナ各州の輸出相手地域を見たものである。帯グラフの青が欧州向け、赤(というかピンク)がロシア等のCIS向け、薄い茶色のような色がその他の世界向けということになる。そして、地図上では、欧州への輸出比率が高い地域ほど濃い青、CISへの輸出比率が高い地域ほど濃い赤で示されている。なお、ドンバス(ドネツィク州およびルハンシク州)の新しい数字も一応は示されているが、2014~2015年の数字には武装勢力占領地域の経済活動が含まれていないはずなので、むしろ「ドンバスも元々は赤だった」ということの方が重要であろう。 このように、ウクライナという国はどうしても、経済面でも、西の地域は欧州寄り、東の地域はロシア寄りという股裂き状態になってしまい、これが対外経済路線のコンセンサスを得ることを難しくして

    ウクライナ各州の輸出相手地域 : ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ
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    El_Fire 2016/12/30