明治43年に国産初の蓄音機が発売されてから、10月でちょうど100年。日本の音楽産業は、数々のヒット曲とともに大衆文化の王道を歩んできたが、この10年間は深刻なCD不況に直面している。ライブなどの3D(立体)映像を活用した「音楽の3D化」が新たなビジネスチャンスとして注目される一方で、業界の変革のため、歌手をめぐる権利ビジネスのあり方を問い直す声も高まっている。(堀口葉子) 好きな歌手が、目の前で歌い、踊る−。100年前には想像もつかなかった、「音楽鑑賞」の枠を超えた体験がいま、3Dによって実現している。 8〜9月、日本で初めて3D映像作品として劇場で上映されたのは、浜崎あゆみ(32)のコンサート。3D用にカメラ44台を投入し撮影された映像は、ほとばしる汗も手に届くような臨場感にあふれる。 現在は韓国のガールズグループ「少女時代」らのライブやプロモーションビデオの3D版が制作され、手掛ける