自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡る国会審議で、岸田文雄首相が16日に始まる所得税の確定申告を呼びかけた。 裏金づくりなどに関与した自民党議員に脱税の疑いが指摘されているだけに、SNS(ネット交流サービス)では「納税してほしければ裏金議員は辞めるべきだ」などと批判が噴出。「納税呼びかけ」「確定申告前」のワードが一時トレンド入りした。 裏金や不透明さが指摘される「政策活動費」に関しては、使い切らなかった残額を政治家個人が保管していれば雑所得とみなされ、所得税法上の課税対象となり得る。
反体制的な活動を取り締まる国家安全条例の制定に向けた作業を香港政府が開始した。概要を記した文書を公表し、今月28日まで市民の意見を公募している。 制定は、憲法に相当する香港基本法で義務づけられているが、市民の反発に配慮する形で事実上、棚上げされてきた。2003年に政府が制定を目指した際には、約50万人が参加する抗議デモに遭い、撤回した経緯がある。 再び制定に動き出した背景に、国家の安全を最優先する習近平指導部の意向があるのは疑いない。20年に中国が施行した香港国家安全維持法(国安法)によって政府に批判的なメディアや民主派団体が弾圧され、壊滅状態となったことも、好機と判断したのだろう。 文書によると、処罰の対象となるのは「国家への反逆」や「反乱と扇動」「国家機密の窃取とスパイ活動」などだ。サイバー攻撃を念頭に置いた「破壊活動」や「外国勢力による干渉」も犯罪の類型として盛り込む方針という。 条
第二次大戦のA級戦犯が合祀(ごうし)されている靖国神社を自衛官が組織的に参拝していたとすれば、不適切だと言わざるを得ない。 参拝したのは、陸上自衛隊の小林弘樹陸上幕僚副長ら「航空事故調査委員会」の幹部ら数十人だ。年始に当たっての航空安全祈願だったという。 自衛官でも、私人としての参拝であれば問題はない。だが、1974年には、宗教施設への部隊参拝や隊員への参加強制を「厳に慎むべきである」との防衛事務次官通達が出されている。 委員会は今回、「実施計画」を作成しており、組織的な行動だったことが強く疑われる。参加者の一部が公用車で神社を訪れたことも確認されている。 なぜ委員会のメンバーが集団で参拝したのか、同様の行為が過去になかったのか、防衛省は徹底的に調査しなければならない。通達に抵触する可能性があるとの認識がなかったのかも確認すべきだ。再発防止のため、調査結果を踏まえ厳正に対処する必要がある。
戦争の記憶が残った半世紀前の東南アジア。日本企業進出に反感は強く、1974年の田中角栄首相(当時)のインドネシア訪問時には日本車に火が放たれた=ジャカルタ市内で 米中対立が深まる中、対等なパートナーとしての関係をどう生かしていくのか。 日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)の首脳会議が東京で開かれた。対話開始から50年の節目を記念するものだ。 経済協力の強化や人的交流の拡大を盛り込んだ共同声明では「共創」という言葉が強調された。岸田文雄首相は「協力のキーワード」と説明したが、問われるのは何を共に創造していくかだ。 土台となったのは、日本の東南アジア外交の指針である「福田ドクトリン」だ。 1977年に当時の福田赳夫首相が、再び軍事大国にならない決意を表明した。信頼される対等なパートナーになるとも約束したが、実態は日本が政府開発援助(ODA)で東南アジアの経済成長を支える構図だった。 だが、こ
公職選挙法違反(買収)の罪で有罪が確定し、当選無効となった元大阪市議に対し、最高裁は同市が支払った議員報酬の全額返還を命じた。納税者から見れば常識的な判決だ。地方議員に限らず当選無効となった国会議員にも適用できるよう議論を進めてほしい。
萩生田氏、辞任の見通し 安倍派一掃は見送り―岸田首相、14日にも人事・裏金疑惑 2023年12月12日22時28分配信 取材に応じる岸田文雄首相=12日午後、首相官邸 自民党安倍派の政治資金パーティー収入の裏金化疑惑を巡り、岸田文雄首相(党総裁)は政権内で浮上していた政務三役からの同派一掃案を見送る方向で調整に入った。閣僚4人と副大臣5人は交代させる一方、政務官は疑惑への関与が薄ければ続投させる意向。複数の政府・与党関係者が12日、明らかにした。これを受け、同派幹部の萩生田光一政調会長も辞任する見通しとなった。 立民、内閣不信任13日に提出 維新賛成の方向 首相は12日、人事について、首相官邸で記者団に「適切なタイミングで対応したい。この考えは変わっていない」と語った。14日にも閣僚4人や高木毅国対委員長を交代させた上、萩生田氏を今月下旬の2024年度予算案決定後に代える方向で調整している
岸田文雄首相が当初、打ち出した「安倍派一掃」の方針に安倍派からは強い反発が噴出、それ以外の派閥からも異論が漏れてくる。自民党内では岸田政権の「終わり方」が語られ始めた。 組織的な裏金作りを続けてきた…
自家用車を使って一般の人が有料で客を運ぶ「ライドシェア」について、政府が導入に向けた検討を本格化させる。タクシー運転手の不足と高齢化が深刻さを増す中で、公共交通の一翼として、小回りのきく自動車での移…
長年対立してきた中東の大国サウジアラビアとイスラエルが国交樹立を視野に動き始めた。仲介しているのが米国だ。地域の安定化に向け指導力が問われている。 バイデン米大統領は先月、ニューヨークでイスラエルのネタニヤフ首相と会談した。首相は「アラブとイスラエルの紛争終結につながる」と意欲を示した。 7月にはサリバン米大統領補佐官がサウジを訪問し、ムハンマド皇太子と会っている。後に皇太子は「(関係正常化に)日々近づいている」と述べた。 実現すれば、混乱と緊張が続く中東情勢を一変させる歴史的な出来事となろう。 パレスチナ問題を巡って対立し、1973年の第4次中東戦争では一戦交えた宿敵同士だ。急接近する背景には、増大するイランの脅威がある。 核開発を再開したことに加え、ウクライナ戦争ではロシアに無人機を供与する見返りに高度なサイバー技術の提供を受けている。 サウジとイスラエルが協力関係を構築すれば、中東が
控訴審判決を前に、福岡高裁に入る原告の女性(中央)と代理人弁護士=福岡市中央区で2023年9月26日午後0時53分、志村一也撮影 交通事故を巡る刑事裁判で無罪判決が確定したのに、なぜ運転免許の取り消し処分は変わらないのか。福岡市の会社員女性(45)が県に処分の無効確認などを求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁は26日、1審に続き、女性の訴えを認め、「処分は無効」と判断した。事故を境に人生を狂わされ、不条理を訴えてきた女性は「県は上告しないで」と願う。 「事故から7年近く苦しみ続けてきた。もうこれ以上、負担を強いないでと心底思う」。女性は判決前にそう訴え、福岡高裁の法廷に入った。高瀬順久裁判長が「(県の)控訴を棄却する」と判決主文を読み上げると、女性は代理人を見て、うなずいた。閉廷すると、法廷を出て「良かった」とガッツポーズを見せた。
「法廷通訳人」をご存じだろうか。裁判で、日本語が通じない外国人の被告と裁判官らの間で交わされる言葉を中立・公正な立場で通訳する仕事だ。わずかな誤訳が量刑はもちろん、無罪か有罪かの判断にも影響しうる。重い責任を負い、適正な裁判手続きに欠かせない。だが法廷通訳人の登録者は減少しており、数の不足は明らかだ。負担に見合っていないとして待遇改善を求める声も上がっている。 私が法廷通訳に関心を持ったきっかけは、2018年に前任地の静岡県で傍聴した、ベトナム人の元技能実習生が不法滞在の罪で起訴された事件だ。通訳人が通訳する日本語の意味が理解しにくい場面が度々あり、裁判官も首をかしげているように見えた。心配になって弁護人や検察官に目を向けたが、気にする様子はない。公判は淡々と進み、あっという間に結審した。
マイナ保険証の読み取り機。他人の情報とひも付けられるなど、トラブルが相次いでいる=東京都品川区で、中川友希撮影 マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」を巡る混乱が続いている。医療現場を取材すると、課題が次々と浮かんで いて、「誰のための、何のための医療サービスなのか」と疑問を抱かざるを得ない。 マイナ保険証の情報を読み取り、健康保険への加入の有無などを確認できる「オンライン資格確認システム」の導入が今年4月、医療機関に原則義務化された。全国で導入が進むのに伴い、読み取り機にマイナ保険証をかざしても「無効」などと表示されるトラブルが続発した。 原因として、システムや機器のエラーのほか、マイナンバーとのひも付け作業の遅れによる情報の未反映がある。問題なのは、他人の情報が誤ってひも付けられ、処方された薬など個人情報が閲覧できるようになっていたことだ。
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