若年層の海外旅行離れが暗示する日本の将来的危機 最近の若者は旅をしない。この事実をどのくらいの方がご存じだろうか。 昔に比べると海外旅行は安価で容易になった。日本に暮らす外国人の数も増えた。国際化時代に向けた教育の重要性が叫ばれ、子ども向けの英語教育も盛んである。インターネットなどを駆使して、海外の情報をいくらでも手に入れることができる。その当然の帰結として、若ければ若いほど海外経験が豊富で、国際感覚がはぐくまれているはずだと、そう思っている人は多いかもしれない。しかし、現実は少し違っている。 私がその傾向に気づいたのは、1年と少し前、学生時代に所属したサイクリング部のOB会に出席し、現役の学生たちと話す機会を持ったときだった。自転車で世界一周をしたときの体験談を披露する私に対し、「近ごろはあまり海外に走りに行くヤツはいないです」と彼らは答えたのだ。私は驚き、そして残念に思った。 当初私は