ネットワーク中立性という議論 先月末から今月はじめにかけて、ネットワーク中立性に関する資料が立て続けに公開された。 ・「ネットワークの中立性に関する懇談会」報告書案 ・「P2Pネットワークの在り方に関する作業部会」報告書 ・「インターネットは誰のものか」(行政のキーパーソン・谷脇氏の著書) ネットワーク中立性をごく大雑把に説明すると、インターネットをビジネス面で誰がどう支え、そのために富をどう再分配するのか、という議論である。具体的には、インフラを支える通信キャリアやISP等の「下位層」と、アプリケーションを提供するコンテンツ・サービス事業者等の「上位層」の対立を基本構造とし、主に前者(通信キャリア等)が後者の「儲けすぎ」に異議を唱えるという形で問題提起されている。 最も先鋭的な議論は「ネットただ乗り論」である。すなわち、上位層事業者は下位層事業者のインフラにただ乗りしているのでは、