止まることを知らない「ひぐらし」の世界 まずは、元となった同人PCゲーム「ひぐらしのなく頃に」(以下、ひぐらし)について解説しよう。「ひぐらし」がその産声を上げたのは、2002年冬の「コミックマーケット62」。一見、普通のノベルゲームに見えるが、実は選択肢が登場せず、話を読ませるだけという、ゲームというよりは小説に近いシステムで話題を集めた。 また、このときに作品が全て発売されたわけではない。実は、「ひぐらし」は全部で8つのストーリー(編)が存在し、それぞれが夏冬のコミックマーケットで発売されたのだ。このうち、前半の4編は「問題編」と呼ばれ、物語のタネあかしは行われない。後半の4編、通称「解答編」にて、徐々にその謎が解明されていく、という仕組みなのだ。 ここで、“各編が間隔を開けて発売された”ことに注目してほしい。当時からリアルタイムでプレイしているユーザーは、解答編が発売されるまで、いわ