ここ数年でゲーム業界の勢力図はすっかり様変わりした。以前は業務用ゲーム機、つまりゲームセンターのゲームが最先端で、家庭用ゲーム機はその移植プラットフォームという構図だった。しかし、プレイステーションの登場で、最先端の座は家庭用ゲーム機に奪われた。 今では、PCや携帯電話といった「非ゲーム機」もゲームのプラットフォームとして注目を浴びるほか、間もなく次世代ゲーム機が市場に勢ぞろいすることもあり、業界構造はますます複雑になってきている。 こうした中、業務用から続いてきた老舗ゲームメーカーはどう戦っていくのか。創業約40年を経たゲームソフトメーカー「テクモ」の安田善巳代表取締役社長は、日本興業銀行の大蔵省証券局の担当(MOF担)として金融業の事業戦略転換に取り組んだ経歴を持つ一方で、ゲーム雑誌にコラムを連載していた経験を持つなど、ゲームと産業の両方に明るい希有な人物だ。今後の展望を聞いた。 --