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ブックマーク / obiekt.seesaa.net (74)

  • ローンチ・オン・リモートとエンゲージ・オン・リモート

    弾道ミサイル防衛システムではローンチ・オン・リモート(Launch on Remote; LOR)とエンゲージ・オン・リモート(Engage on Remote; EOR)という技術が重要になります。どちらも前方に展開した別のレーダーからの敵目標の情報をデータリンクして、迎撃範囲を大きく広げる効果があります。 これは米ミサイル防衛局の資料から欧州MDイージス・アショア(地上型イージス・システムとSM-3)の概念図です。自己のレーダーのみの基的な状態(オーガニック)、ローンチ・オン・リモート、エンゲージ・オン・リモートでそれぞれ迎撃可能範囲が大きく違う事が分かります。同時可能対処数も大きく変わって来ます。(※この図はあくまで概念図であり、描かれてある迎撃ミサイルの射程範囲や同時可能対処数は正確なものではなく実際とは異なります。) 弾道ミサイル防衛システムのSM-3ブロック1Aは最大射程12

    ローンチ・オン・リモートとエンゲージ・オン・リモート
  • 揚陸作戦での民間輸送船の活用と機動揚陸プラットフォーム(MLP)

    海上からの揚陸作戦では通常、軍用の揚陸艦を使って砂浜に上陸し、その後に港湾を確保して徴用した民間の輸送船で物資や兵員を降ろします。敵の抵抗が殆ど無いと予想される場合は直接港湾を奪取する場合もあります。地形によっては付近に砂浜が無く(フィヨルドなど)、直接港湾を奪取せざるを得ない場合もあり得ます。徴用した民間輸送船は港湾施設が無いと荷物を降ろせません。大量の物資を揚げる為には数の少ない軍用揚陸艦だけでなく多くの民間輸送船の活用が不可欠なので、なるべく早い時点で港湾を確保しておきたいのですが、直接港湾に乗り込んで戦闘をすると施設が破壊される可能性が高くなります。また港の出入り口に船を沈められるなど破壊工作が行われる可能性もあり、早期に港湾を確保できる保障はありません。そこで第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦ではマルベリーという人造港を作り、臨時の港として使っています。(マルベリー人造港と浮

    揚陸作戦での民間輸送船の活用と機動揚陸プラットフォーム(MLP)
  • 雲の柱作戦に置けるアイアンドームの任務達成率

    2012年11月14日から21日の停戦までの8日間に行われたイスラエルのガザ空爆作戦は、英語の作戦名を「Operation Pillar of Defense(防御の柱作戦)」、ヘブライ語の作戦名を「מבצע עמוד ענן(雲の柱作戦)」と命名されています。停戦により地上作戦は回避されましたがイスラエル空軍の爆撃でパレスチナ市民100人以上が犠牲となり、ハマス武装組織のロケット弾攻撃でイスラエル市民4人が死亡、兵士を含めると双方合わせて160人以上死亡しています。 Operation Pillar of Defense - Wikipedia イスラエル軍の発表によると、イスラエル空軍の戦闘機はガザ地区の約1500の目標を空爆しました。ロケット発射機、ロケット弾製造工場、密輸用地下トンネル、行政機関、治安施設などです。イスラエル軍は巨大な爆発はロケット弾の製造工場や弾薬貯蔵庫の誘爆であ

    雲の柱作戦に置けるアイアンドームの任務達成率
  • ロケット弾迎撃システム「アイアンドーム」による12発同時迎撃

    イスラエルとパレスチナ自治区ガザで戦闘が激化し、ガザからは多数のロケット弾がイスラエルに撃ち込まれ、イスラエル軍は戦闘機による空爆を行う事態となっています。ガザを自治するハマスの軍事部門司令官が乗った自動車がイスラエル軍の空爆で吹き飛ばされ、イスラエル最大都市テルアビブにはハマスが発射したイラン製大型ロケット弾「ファジル5」が付近に着弾、イスラエル軍は予備役を動員し地上侵攻の準備を始めました。 そして14日の夜にはイスラエル軍のロケット弾迎撃用地対空ミサイル「アイアンドーム」が12発のロケット弾を撃墜する様子が動画に収められています。 אזעקה בבאר שבע+12 ירוטים מוצלחים 少し遠くにある結婚式の会場から撮影。空襲警報が鳴り響く中、50秒頃に最初の数発が発射され、続いて1分頃に10発以上撃ち上がり始めます。12発のロケット弾が撃墜されています。 מטח טילים

    ロケット弾迎撃システム「アイアンドーム」による12発同時迎撃
  • 2010年アフガンで墜落したオスプレイ事故のその後

    2010年4月8日にアフガニスタンでアメリカ空軍のCV-22オスプレイが夜間着陸中に墜落した事故は、予備調査段階ではブラウンアウト(砂漠地帯でヘリコプターが巻き上げた砂埃で視界が失われる現象)が疑われていましたが、その後の調査で原因がはっきりとせず、空軍側と事故調査委員長との見解が対立する事態となりました。ブラックボックスは破損、操縦士は死亡、副操縦士は記憶喪失で事故の完全究明は出来ませんでした。空軍側は操縦ミスが主要因だと主張し、事故調査委員長ドナルド・ハーベル准将(当時)は「エンジンが砂埃を吸い込んで故障し出力低下した事」が主要因だと主張しています。 産経新聞:オスプレイ墜落事故 米元事故調委員長インタビュー「空軍から圧力あった」 (2/2ページ) --アフガニスタンでの墜落事故については 「事故調内部で、原因をめぐって大変な議論となった。私は今でもエンジンの故障の可能性が高いと信じて

    2010年アフガンで墜落したオスプレイ事故のその後
  • 特殊作戦用CV-22オスプレイとMH-53ペイブロウの事故率

    オスプレイの事故率は現時点で、海兵隊型MV-22が10万飛行時間あたりクラスA事故2件弱であり、海兵隊平均事故率約2.5を下回ります。一方で空軍型CV-22が約13件と極端に悪い数字となっています。MV-22とCV-22の違いはCV-22に地形追従レーダーが付いているくらいで、機体構造は殆ど同じです。両者の違いは任務にあり、CV-22は戦闘捜索救難と特殊部隊の輸送任務を担う特殊作戦機です。 参考としてCV-22オスプレイと同じ特殊作戦任務を行っていた前任機、MH-53ペイブロウの事故率の表です。 ペイブロウは2008年に全機退役しました。クラスAの生涯事故率7.51、最後の10年間で12.34。非常に高い数字となっています。ペイブロウは海兵隊で使っているCH-53Dシースタリオンと基的に同じで特殊作戦用の装備を付けています。基構造は変わりません。なお海兵隊のCH-53Dの事故率は以前に

    特殊作戦用CV-22オスプレイとMH-53ペイブロウの事故率
  • なぜソマリア沖の海賊対策は軍事力で行われるのか

    ソマリア沖の海賊対策に、各国は海軍力を投入しています。マラッカ海峡の海賊対策では海上警察や沿岸警備隊などの警察力を中心としたのに、なぜ軍隊なのか? 国際法は全ての国の軍隊に公海上の海上警察権の行使を認めており、日で議論されているような「海上保安庁が海賊対策を一義的に担うべき」という決まりはありません。中にはイギリスのように海上警察に相当する組織を持っておらず、普段から海軍が海上警察としての役割を担っている国もあります。イギリスの場合は海軍が出てくるしかありませんが、それ以外の国では海軍を出そうが海上警察を出そうが、国際法上はどちらでも構いません。 ただ、大抵の国の海上警察や沿岸警備隊は、遠隔地で作戦を行う為の十分な能力を持っていないという物理的な理由もありますが、これはアメリカ沿岸警備隊(USCG)には当て嵌まりません。アメリカ沿岸警備隊は戦時の際に海軍の補佐をする為、遠隔地に赴く任務と

    なぜソマリア沖の海賊対策は軍事力で行われるのか
    aegis09
    aegis09 2012/01/28
    ”各国は、沿岸当事国ソマリアが無政府状態だから、海上警察では無く海軍を派遣しているのです。”
  • 尖閣衝突ビデオが流出

    尖閣諸島沖で日の海上保安庁の巡視船と中国の漁船が衝突した事故の際に、巡視船側から撮影されたビデオがYoutubeに上がっています。日政府は公式にはまだ一般には公開していない為、流出してしまった事になります。 これはアップロードされた4番目と5番目の映像で、衝突の瞬間が写っています。現時点で6つの動画がアップロードされています。(※最初の投稿者のアカウントが削除されたのでコピーと差し替えました。) 沖縄県・尖閣諸島沖で海上保安庁巡視船と中国漁船が衝突した事件で、状況を記録したビデオ映像がインターネット上に流出したことが5日、分かった。海保が画像を確認した。海保によると、国会に提出したもの以外の映像も含まれているという。 尖閣の衝突画像、ネット流出=海保が確認、国会提出分以外も:時事通信社 物である事が確認されました。このYoutubeにアップロードされた動画の一部が国会に提出されたもの

    尖閣衝突ビデオが流出
  • JFTM-4「星の鷹」PV動画

    ハワイ沖で実施されて来た日海上自衛隊イージス護衛艦ミサイル防衛システム発射試験JFTM(Japanese Flight Test Mission)はシンボルマークが設定されて来ました。これまで「JFTM-1 キジ」 、「JFTM-2 ハヤブサ」、「JFTM-3 ライチョウ」、そして今回は、「JFTM-4 タカ」です。ミサイル防衛局のYoutubeAegisBMD公式にPV動画がUPされました。 ちなみにアメリカ海軍のイージスMD迎撃試験でも同様のシンボルマークがあり、FTM-13ではグリフォンでした。 きりしまの迎撃実験成功、おめでとう。 (「ちょうかい」は失敗でしたっけ?) 迎撃成功率は75%。 あとは粛々と成功率を高めてほしいです。 Posted by ぺこたん at 2010年10月31日 09:45:02 一撃必殺と書いてあるあたりが、いかにも……ニヤリ Posted by 名無

    JFTM-4「星の鷹」PV動画
  • 防衛省航空幕僚監部(空幕)は小川和久氏のF-2欠陥機説を説明せよ

    軍事アナリストの小川和久さんはF-2戦闘機の事を欠陥機であると、『全力を出すと空中分解するのでまともな空戦は出来ない』(ビジネス社「日戦争と平和」2009年5月21日発行)と唱えています。また、平成17年3月31日の参議院外交防衛委員会ではこのように証言しています。 ○参考人(小川和久君)「第二点、これは航空自衛隊が導入を進めてまいりましたF2型の対地支援戦闘機、これが石破防衛庁長官の時代にもうこれ今後の調達はしないということが決まったわけであります。これは、まず大変な欠陥機であります。これはもうパイロットだれに聞いても、音を言う人は、こんなもの欠陥機で困るよと。」 第162回国会 外交防衛委員会 第5号 平成十七年三月三十一日(木曜日) 結論を先に言えば、F-2批判には根拠はないし、そもそもパイロット達はそんな批判など気にもしていない。 それどころか彼らは名の通った軍事評論家や航空

    防衛省航空幕僚監部(空幕)は小川和久氏のF-2欠陥機説を説明せよ
  • マルベリー人造港と浮体桟橋

    ノルマンディー上陸作戦で使われたマルベリー人造港と浮体桟橋(ポンツーン橋)についてあまり知られていないのかなと思い、映像で紹介しておきます。 揚陸地点が遠浅の海だったので、浮体桟橋は1km以上の長さになっています。人造港も浮体構造で、長大なスパッド(杭)を海底に打ち込んで固定しています。急深の海ならば浮体桟橋の長さはもっと短く出来ますし、ランプドアを持つRORO船ならば人造港を使用せずとも浮体桟橋をそのまま陸地まで繋げる事が可能です。このように人造港や浮体桟橋を用いれば、埠頭設備の無い海岸からでも民間船の利用が可能となります。 なお、「揚陸作戦に民間徴用船は使ってはならない」という摩訶不思議ルールを唱える隅田金属ぼるじひ社の文谷数重さんは勝手な勘違いをされているようですが、これは揚陸作戦で民間船を港湾で利用するという主張を後退させるものではありません。「民間船は港湾の埠頭を利用するし、埠頭

    マルベリー人造港と浮体桟橋
  • F-2戦闘機の機動性は万全~パイロットの証言~

    今回の三沢行きには隠された目的があった。 実際にF-2に乗っているパイロット達に、巷に流れるF-2批判について聞いてみたかったのだ。 これは編集部の依頼ではなくて、私の個人的な願望であった。 根拠の疑わしいF-2批判を、直接の関係者の証言で打破したかった。 結論を先に言えば、F-2批判には根拠はないし、そもそもパイロット達はそんな批判など気にもしていない。 それどころか彼らは名の通った軍事評論家や航空マニアの間で、F-2の機動性に疑問を投げかける言説が横行していることさえ知らなかった。 「はぁ? そんなこと言っている人がいるんですか? なんのこっちゃやら」てな感じの答えが返って来る。 考えて見れば当たり前の話で、自分らの乗っている機のことは自分らが一番良く知っている。外野がなんと言おうと、その能力も限界も彼らが一番熟知している。当事者でもない人達の言動など関心外でも当然だろう。 まずASM

    F-2戦闘機の機動性は万全~パイロットの証言~
  • ランド研究所「不正規戦における機甲戦力の役割」

    イラクやアフガンでの不正規戦における戦車運用に関する報告が話題に出ていたので紹介しておきます。 陸戦英語報道 その2 :軍事@2h掲示板303 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2010/07/21(水) 11:13:41 ID:??? RAND OP287 RANDの米陸軍研究部門であるアロヨセンターは 不正規戦における機甲戦力の役割について各国軍と海兵隊から聞き取り。 米海兵隊 AAV-7を装甲兵員輸送車として使用。歩兵戦闘車としてみれば 艦艇から上陸海岸までの浮航のための車両であるAAV-7はブラッドレーに劣る。 イラクでは予備役海兵大隊がAAV-7を使っていて大型仕掛け爆弾の炸裂で 転覆し搭乗していた20名超が一度に亡くなったことあり。 戦車はM1A1を使用。TUSK(Tank Urban Survival Kit)の構成装備の多くを取り入れて いる。また、海兵隊戦車大隊は従

    ランド研究所「不正規戦における機甲戦力の役割」
    aegis09
    aegis09 2010/08/26
    現代戦の戦車の必要性
  • 欧州放射線リスク委員会は何度も妄言を繰り返すトンデモ集団 : 週刊オブイェクト

    最近、「ファルージャは広島原爆の40倍の放射線被害だと、欧州放射線リスク委員会のバスビー教授が述べた」という常軌を逸したデマが流れています。イギリス在住のフリーライター・nofrills(いけだよしこ)氏が、そのようなデマは拡散させるべきではないと警鐘を鳴らしています。 ファルージャと、「広島の40倍」というキャッチーなフレーズ:tnfuk [today's news from uk+]で、バズビー教授のこの発言は、科学的に厳密なことを言おうとした発言なのか、相手の注意を確実に引くための修辞なのか、ということを確認しようにも、ニューズクリップはここで終わっているし、このクリップとは別にアップされているフルのインタビューは、英語の上にアラビア語の同時通訳がかぶされているので私には無理な範囲だ。だがいずれにせよ、確実な確認はできないにしても、「広島の40倍」をそのまま科学的に根拠のある言葉だと

    欧州放射線リスク委員会は何度も妄言を繰り返すトンデモ集団 : 週刊オブイェクト
  • J/APG-1(改)のレーダー視程について

    航空自衛隊のF-2戦闘機で99式空対空誘導弾(AAM-4)を運用できるように、搭載レーダーJ/APG-1の探知距離を延伸する改修を行う事になっていますが、このレーダー改修に付いての詳細はこれまで判明していませんでした。外観や重量を大きく変えずに、電子機器とソフトウェアの変更で性能向上を図るという事しか伝えられていませんでしたが、「軍事研究」誌の今月号でJ/APG-1(改)のレーダー視程に関する話が語られていました。 「防空力拡張:新要撃機F-2/FX&KC-767タンカー」 軍事研究2010年5月号,軍事情報研究会[監修:河津幸英] 134ページ結果、J/APG-1火器管制レーダー(改)の「空対空射撃」能力は、どの程度向上するのか。一説では、F-X候補機でもあるボーイングF/A-18E/Fスーパーホーネット戦闘攻撃機の積むレイセオン製AN/APG-79AESAレーダー以上とも言われる。 驚

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  • F-15を欠陥機呼ばわりするものだから嘉手納にF-22ラプター配備

    『一体、彼等は何が不満なのでしょうか。「嘉手納に即時F-22ラプターを配備しろ!」という事なのでしょうか』 こんな事を書いてから一ヶ月。 うわぁ・・・当に来たナリよ・・・ 米空軍、沖縄に最新鋭ステルス機を12機配備へ [1/10 読売新聞]AP通信は9日、米空軍が最新鋭ステルス戦闘機「F22ラプター」12機を2月中に沖縄県嘉手納基地に配備すると報じた。 ラプターの国外配備は初めてで、朝鮮半島や台湾海峡などでの有事に備えた配備とみられる。 ラプターはF15戦闘機の後継機で、レーダーで発見されにくいステルス機能や、超音速の巡航能力を有する。 とはいえ同時期に韓国にはステルス機F-117ナイトホークが配備されることを併せて見れば、北朝鮮対策であることは見て取れます。最近、二度目の核実験を準備している兆候が察知されていますから、その対策or牽制。 米ステルス戦闘機飛行編隊、韓国に4カ月配備 [1

    F-15を欠陥機呼ばわりするものだから嘉手納にF-22ラプター配備
  • ロシア新型戦車T-95の予想図

    昨日の今日で早速更新ですが、今日はまだ「週末」なので更新モードです。 さてお題は「T-95は当に152mm砲を備え、それに耐えられる装甲を持っているのか?」という点です。152mm長砲身滑腔砲とそれに耐えられる装甲を有して登場すれば、第四世代戦車と成り得ますが、T-95の予想される50~55トンの車両重量(ロシアの報道での数値)では、達成不可能なのではないか、という疑問です。アクティブサスペンションも無しに152mm砲の反動を吸収するには80トン以上の車両重量が必要な上に、そもそも152mm砲に対応できる装甲を与えようとすると、それくらいの重量は必要になるでしょう。152mm砲弾は125mm砲弾の2倍近い重さで、もし初速が同じなら単純計算で威力差も2倍となります。※「さむざむ。」氏の詳しい解説 無人砲塔化によって砲塔正面装甲が少ない面積で済んでいたとしても、152mm砲はシステム重量が従

    ロシア新型戦車T-95の予想図
  • 40t級戦車に60t級戦車と同等の装甲を与える事は可能

    40トン級戦車に60トン級戦車と同等の装甲を与える事は十分に可能です。これは戦車の歴史に前例があります。第二次大戦時、ソ連のIS-3スターリン重戦車(46トン)は、ドイツのキングタイガー重戦車(68トン)に比べ22トンも軽かったにも拘らず、同等以上の装甲を持っています。 (2009/11/19)『軽い戦車は装甲が薄い』という認識の落とし穴 以前に書いたこの記事をご覧下さい。装甲技術レベルが同等であっても、単純にコンパクト化するだけでも「小さくて軽くて分厚い」戦車を造り出す事は可能なのです。 それではコンバットマガジン掲載の清谷信一氏によるTK-X批判記事から、この件に関連する部分を紹介します。 「新戦車は必要か」 清谷信一,コンバットマガジン2010年2月号,p126現在の3.5世代戦車は重量が60~73tにも達しており、重量的には運用の限界とされている。これ以上の攻撃力、防御力を付加し、

    40t級戦車に60t級戦車と同等の装甲を与える事は可能
  • 戦車のサイドスカートは厚い方がいい?

    それではコンバットマガジンのTK-X批判記事への反論を始めたいと思います。指摘すべき箇所が多岐に渡る為、何回かに分けて行います。 「新戦車は必要か」 清谷信一,コンバットマガジン2010年2月号,p126~129 この記事の内容について、最初から順番にではなく、分かり易い箇所から取り上げて行きたいと思います。先ずは新戦車のサイドスカートについて、他の戦車のサイドスカートと比較しながら考えて行きましょう。 「新戦車は必要か」 清谷信一,コンバットマガジン2010年2月号,p127~128一例を挙げてみよう。英軍のチャレンジャー2やカナダ軍のブッフェル戦車回収車などでは側面装甲を兼ねた背の高いスカートを採用している。これは前方の3分の2ほどまでで、厚さ5~10cm以上の分厚いモジュール式の複合装甲(恐らく中空式)を採用している。その後部には重量軽減のためにスラット(格子)装甲を採用している。M

    戦車のサイドスカートは厚い方がいい?
  • マージャ攻略戦とタリバーンNo.2拘束

    イラクのファルージャ戦をモデルに開始された、アフガニスタン南部ヘルマンド州マージャ市攻略戦「ムシュタラク作戦」は順調に推移し、タリバーンの拠点であった警察署を奪還、掃討戦の段階に入りました。 しかし民間人への重大な誤爆も発生しています。 アフガン南部作戦で民間人12人死亡 ISAF発表 :CNNISAFによると、同州ナダリ地区で、武装勢力の攻撃拠点を狙って発射したロケット弾2発が標的から約300メートル外れた。発射に使われた「高機動ロケット砲システム(HIMARS)」は、この件の調査が完了するまで使用を中止するという。 ロケット弾による誤砲撃はHIMARSからのGMLRS、つまりM31ユニタリー・ロケット弾によるものです。HIMARSとはMLRSの小型版で、12連装のMLRSを半分の6連装とし、トラックの架台に載せてあるので地上移動に優れ、軽量な為に空輸も容易で、アメリカ軍が重視している装

    マージャ攻略戦とタリバーンNo.2拘束